四国最大の古民家博物館の一角にある安藤忠雄建築と庭園は、高松の市街地を眼下にのぞむ“水景庭園”。
四国村ギャラリー“水景庭園”について
「四国村」(しこくむら)こと『四国民家博物館』は源平合戦の地・屋島の麓に1976年(昭和51年)に開園した野外博物館。国指定重要文化財6棟を含む計33棟の歴史的建造物が移築されているほか、安藤忠雄設計により2002年に開園した『四国村ギャラリー』も。そして園内の主要部分の造園は世界的彫刻家・流政之が手掛けています。
屋島の麓の坂道はこれまでも何度か通り掛かっていたけど入ったことがなかった四国村。2021年年始に初めて訪れました!
ここでは安藤忠雄建築の四国村ギャラリーについて。古民家の立ち並ぶ古めかしい雰囲気の園内のはずれにコンクリート打ちっぱなしの安藤建築があります。日本の古民家だけじゃない四国村。(4,50年後には安藤建築も“レトロ”や“歴史的建造物”の仲間入りをしているのかもだけど)
四国村創設者・加藤達雄さんが収集した美術品を主に展示するこのギャラリー、訪れた時に行われていた企画展は、古代インダス文明の土偶や土器が展示された『古代文明の十字路-インダス文明を支えたバローチスターンの土器と土偶-』で、“古民家”のイメージにも近かったのだけれど。
所蔵作品はピカソやルノアールの絵画から、一休宗純禅師、本阿弥光悦、白隠、与謝蕪村、良寛、池大雅といった日本の文化人の作品まで幅広い。
そしてギャラリーの外には“水景庭園”が広がります。眼下に街の風景をのぞみ、山の斜面を活かしつつも直線的なデザインの庭園は安藤建築では淡路島の『百段苑』との類似性を感じさせますが、こちらの庭園は水の流れがより躍動的。春や秋にはバラ園も楽しめるそう。
今回訪れて気がついた(知った)のは…四国村は公営の施設ではなく、民間の一個人により創業された施設だったということ(現在の運営は「公益財団法人四国民家博物館」)。設立者・加藤達雄さんが立ち上げた現・カトーレック株式会社は元々は高松藩で廻船問屋が起源。
“古民家”から来る施設のイメージは素朴なものなのだけど、前述のような美術品収集も行っていた・それを公開に至ったのはノブレスオブリージュの思想があったのだろうな、と感じる。お腹いっぱいになれる施設。
(2021年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
琴電志度線 琴電屋島駅より徒歩10分
JR高徳線 屋島駅より徒歩20分
高松駅より6.5km(駅にレンタサイクルあり)
〒761-0112 香川県高松市屋島屋島中町126-7 MAP