“アララギ派”歌人・島木赤彦の旧宅。江戸時代後期の書院造建築と樹齢300年~のマツが見どころ。下諏訪町指定文化財。
柿蔭山房(島木赤彦住居)について
【土日祝のみ開館】
「柿蔭山房」(しいんさんぼう)は短歌雑誌「アララギ」を中心とした近代短歌の集団“アララギ派”のリーダーも務めた歌人・島木赤彦が過ごした旧宅。江戸時代後期に建てられた茅葺屋根の主屋および樹齢200年~300年以上とされるアカマツが下諏訪町指定文化財となっています。
2019年夏のアウェー松本戦からの信州の庭園巡り。上諏訪と下諏訪の間の文化財建築にも立ち寄りました。諏訪湖沿いの現・甲州街道ではなく山の中腹にある旧甲州街道は現在も“旧街道”の面影を残しており、柿蔭山房から徒歩5分ほどの場所には同じく歴史的建造物の『橋本政屋』(13-14枚目)があります。いずれも高台から諏訪湖を見下ろす絶景の場所!
島木赤彦の本名は久保田俊彦。久保田家は高島藩に仕え江戸時代初期からこの場所で武士をしながら農業も行っていたそう。この茅葺の主屋は江戸時代後期の文化・文政年間(1804~1929年)頃の建築と推定されており、内部が書院造になっていることが士族屋敷としての特徴を表しています。
そして島木赤彦は大正時代に東京のアララギ発行所からこの家に帰郷し、自ら「柿蔭山房」を名づけこの邸宅を拠点として活動をしたそう。名前の由来はこの地では柿の木が多く栽培されていたそうで、庭園にも大きな柿の木がありたびたび自らを“柿の村人”“柿村舎”などと称したことから。柿についての歌も残しています。
この邸宅のもう一つの見どころは樹齢が200数十年とも、樹齢300年とも言われる赤松。甲州街道道中でも有数のマツの大木とも言われたとか。
庭園にはそれ以外にも二百種以上の植物が植わっているそうで、今回は夏椿が沢山花をつけていた。歌人の邸宅はどこへ行っても多くの植物が見られるのは、季節の移ろいを感じることで創作意欲を湧き立たせるためなのかな。
結構大きくなっている植物が多く、池泉庭園の石組みが隠れて見えない状態ではあるけど…また近くへ行った際には立ち寄ってみたい。
(2019年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR中央本線 下諏訪駅・上諏訪駅より徒歩30分(約2.5km)
下諏訪駅・上諏訪駅より路線バス「高木下」バス停下車 徒歩4分
〒393-0033 長野県諏訪郡下諏訪町高木9180 MAP