国道1号線に突如現れる江戸時代から続く草庵は、日本三大俳諧道場の一つ。湘南の発祥と言われる石碑も。
鴨立庵について
「鴫立庵」(しぎたつあん)は大磯の国道1号線・東海道沿いにある俳諧道場で、京都・落柿舎、滋賀・無名庵と並んで日本三大俳諧道場の一つ。「鴫立庵」は大磯町の有形文化財で、この地「鴫立沢」(しぎたつさわ)は大磯町の史跡名勝天然記念物。純粋な庭園ではないですが、完全に現代化している国1沿いに突如現れる茅葺屋根と自然の風景が意外性があり好きな場所です!
「こころなき 身にもあはれは 知られけり 鴫立沢の 秋の夕暮」
平安時代の歌人・西行法師が大磯あたりの海岸沿いで詠んだこの歌(『新古今和歌集』)にちなみ、江戸時代初期に小田原の崇雪という人物がこの場所に「鴫立沢」の標石を建て、草庵を結んだのが鴫立庵の始まりとされます。
現在も鴫立庵内には鴫立庵室、俳諧道場、円位堂などのいくつかの古建築が残っており、これらは鴫立庵主第一世・大淀三千風(松尾芭蕉にも影響を与えたという俳人)によって江戸時代中期に建てられたもの――と伝えられていました――が、近年の調査でそれが覆ったとか覆ってないとか。…はっきりしないのでタグは江戸時代中期ということにしちゃいます(←史実に沿ってないので真面目にやるとダメなやつ。もっと言うと茶室でもない)。
純粋な日本庭園ではないのですが、敷地内には多くの古建築と石碑があり見ごたえある。
そのうちの一つ、鴫立庵を創設した崇雪が建てたという「鴫立沢」の標石に刻まれている「著盡湘南清絶地」が『湘南』という言葉の始まりといわれています。湘南発祥の地。その他には松尾芭蕉をはじめとした俳人の句碑も。
(2016年6月、2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)