江戸時代初期に完成した東京を代表する大名庭園の一つで開催された、初の庭園ライトアップ『芝離宮夜会』
旧芝離宮恩賜庭園について
「旧芝離宮恩賜庭園」(きゅうしばりきゅうおんしていえん)は江戸時代初期に老中・大久保忠朝の屋敷内に作庭された築山泉水式の大名庭園で、東京・江戸を代表する大名庭園の一つ。国指定名勝となっており同じく海沿いの大名庭園『浜離宮恩賜庭園』の中の御門からも歩いて10分程の距離。
江戸幕府4代将軍・徳川家綱、5代将軍・徳川綱吉を老中として支えた大久保忠朝は佐賀の唐津藩・下総の佐倉藩・小田原藩の藩主を歴任。芝離宮の起源である大名庭園“楽寿園”は4代将軍・家綱から拝領した庭園をベースに、大久保家の領地である小田原から庭師をより築庭されたとされています。
その後、幕末には紀州徳川家の江戸屋敷、明治に有栖川宮家の所有となり「芝離宮」に。大正時代に東京都(東京市)の所有となり公開を開始。
周辺はJRや東京モノレールの浜松町駅が隣接していることや大きなビルが立ち並ぶなど作庭当時からはコンパクトになっているようですが(そして借景の気持ち良さは失われているにせよ)、浜松町駅から徒歩3分というのは都内の名勝庭園の中では屈指のアクセスの良さ。ちなみに浜松町駅から庭園入口とは逆側へ進んだコンコースからも庭園を一望することができます。
芝離宮初の庭園ライトアップ『芝離宮夜会』
2018年秋に芝離宮史上初の?夜間公開&ライトアップ『芝離宮夜会』が行われましたので足を運びました!
芝離宮は都心の国名勝庭園の中では地味な存在な気がしていて、これまで何度か足を運ぶ中でも小石川後楽園、浜離宮、六義園、古河庭園…と比べると人が少ない印象がありました(=だからイマイチって訳ではないよ!)。だけど今回のライトアップはかなりの人入りだった!
芝離宮はあまり紅葉が多いという印象でもなかったのですが、それを逆手に取ってより「ライトアップの質」に重きが置かれていたような印象を受けた。カラフルな和傘のライトアップや1,000個の風車によるインスタレーション、そしてライトアップの色も赤のみならず複数の色の組み合わせが印象的。
それ以外にもフードの出店や全国の日本酒の試飲などの種類の多さも良かった。庭園目的、ライトアップ目的、写真目的…だけでなく、晩秋の少し冷えた夜ではありつつも「秋のビアガーデン」といった需要の掘り起こしにも繋がる試みだったのでは。見る限り、滞在時間を長くする効果はあったようだし。
来場者も年配の方中心ではなく昼間の庭園と比べると若い人の比率が非常に高かった。その前月に足を運んだ浜離宮のライトアップと比べても人も多く幅広い層が居た印象が強かったので、「庭園ライトアップ」というコンテンツは、(ライトアップ内容によっては)非常に可能性を秘めているなと改めて実感。
日中と比べると順路が限られ、庭園内で最も高い視点「御山」からの眺めはかなわずでしたが、昼間は現実感を感じさせるビル群も夜景になってみるとまた全く違う印象。他のライトアップ庭園と同様、写真的にはスマホカメラの限界は感じつつも…、その雰囲気が少しでも伝われば幸いです!
そして楽しかったし素敵だったので2019年以降も開催希望!
【2019年7月追記】
2019年夏に再度ライトアップの開催が決定!タイトルは『江戸夏夜会~旧芝離宮恩賜庭園~』。詳しくは公式サイトをご覧ください。秋と同じライトアップのチームにより装飾されるそうなので今回も素敵なんだろうな〜。
(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)