
仙台市民憩いの公園に2023年に開館した和モダンな空間と、仙台藩主・伊達氏の茶室の名を受け継ぐ仙台市指定文化財の“残月亭”と“もりの庭園”。
青葉山公園 仙臺緑彩館・茶室「残月亭」について
「青葉山公園 仙臺緑彩館」(あおばやまこうえん せんだいりょくさいかん)は宮城県仙台市の都市公園『青葉山公園』の一角に2023年にオープンした文化交流施設(ビジターセンター)。新たに作庭された『もりの庭園』内には仙台市指定文化財の茶室「残月亭」(旧姉歯家茶室)とその茶庭・露地も。
仙台市の繁華街の南西にそびえ、江戸時代には仙台藩主・伊達氏が居城を構えた青葉山。現在その一帯は一部が国指定史跡『仙台城跡』(青葉城跡)として残るほか、仙台市博物館、仙台国際センターといった大型公共施設や東北大学のキャンパス、そして大正時代に開かれ仙台市民の憩いの場となっている都市公園『青葉山公園』等から構成されます。
その公園の中で最も新しく整備されたエリアが大橋を渡ってすぐの川内追廻エリア。かつては仙台藩重臣・片倉小十郎の屋敷があった場所で、2023年に開催された『全国都市緑化フェア』に伴って公園のビジターセンター『仙臺緑彩館』を中心に庭園が整備されました。
仙臺緑彩館の前に広がるのは、仙台城跡の西に広がる「御裏林」の植栽・地形を参考に作庭された「もりの庭園」。その庭園の中心部にあるのが、仙台市指定有形文化財の茶室「残月亭」。
文化財としての名称は「旧姉歯家茶室」。建築されたのは明治時代中期。幕末の仙台藩の重臣で初代仙台区長となった松倉恂の屋敷に建てられ、その後は別の所有者(姉歯家)を経て平成年代に仙台市に寄贈。1998年に仙台市博物館への移築を経て、2023年に現在地に再移築されました。
「残月亭」という名について。表千家の「残月の間」を本家として各地に「残月」の名が付く数寄屋建築がありますが、このお茶室の由来は江戸時代に仙台城に置かれた茶室「残月亭」から取られたもの。ただ名前を同じくしただけではなく、茶室の扁額(のオリジナル)は元を辿れば伊達政宗の筆跡で作られたものだそう。政宗の筆跡による扁額を1714年(正徳4年)に五代目藩主・伊達吉村が模刻、そして現在の茶室の扁額は吉村が写した扁額を、伊達家の許可の下で松倉恂が1894年(明治27年)に模倣したもの。
庭門をくぐると「もりの庭園」とはまた全く雰囲気の異なる露地空間に。しかし元々《草庵風茶室としてより,書院風茶室としての性格が強い》ことから、露地の中に水の流れがもうけられるなど、「もりの庭園」との一体感も◎。
最後に、『仙台緑彩館』の南向きにもうけられた水盤〜直線的な水路も先のお庭とは異なるモダンなランドスケープで、こちらもとても素敵!近景に水盤、中景にもりの庭園の植栽、そして遠景に仙台城跡・青葉山が眺められる、こちらも仙臺緑彩館庭園の一つのビューポイント。
カフェやこれらの庭園を眺められる和室の貸室などもある仙臺緑彩館、今後長く市民に愛されて欲しいスポット!
(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
仙台市地下鉄東西線 大町西公園駅より徒歩9分
JR東北新幹線 仙台駅より約2km(徒歩25分)
JR仙台駅より回遊バスるーぷる「博物館・国際センター・緑彩館前」バス停下車 徒歩1分
〒980-0863 宮城県仙台市青葉区川内追廻無番地 MAP
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