ササキ様に願いを…佐佐木源氏発祥の地に“鈍穴流”の祖・勝元宗益が作庭した庭園。社殿は滋賀県指定文化財。
沙沙貴神社庭園について
「沙沙貴神社」(ささきじんじゃ)は戦国大名・六角氏、京極氏をはじめとして、福岡藩・黒田家、佐々木小次郎、乃木大将こと乃木希典、三井財閥・三井家などを輩出した“佐佐木源氏”発祥の地。全国の佐々木さんがお参りに来られ、佐々木大明神とも呼ばれます。
江戸時代中期〜後期に京極家(その時は讃岐国・丸亀藩主)によって建立された社殿や楼門が滋賀県指定有形文化財で、自分のお目当ては江戸後期〜近現代に至るまで近江地方で数多くの庭園を手掛けた“鈍穴流”の祖・勝元宗益(鈍穴)の作庭とされる庭園。2019年の夏に初めて訪れました!
古代に景行天皇により創建されたと伝わります。その後、平安時代に宇多天皇から派生した宇多源氏・佐々木一族により信仰され続けました。
近江国守護となり繁栄した佐々木氏はその後、六角氏・京極氏・高嶋氏・大原氏に分裂。宗家は六角家だったものの戦国時代に徐々に勢力を落とし、江戸時代を通じて大名格だったのは京極家。京極家の菩提寺は現在も滋賀県の湖東(米原)にあります。(⇒『徳源院庭園』)
拝殿の横にある池泉式庭園が“鈍穴”こと勝元宗益により1889年(明治22年)に作庭された“呑月の庭”。
昨年春に近江五箇荘で巡った鈍穴流の庭園は茶庭風の飛び石に一番の特徴があるように感じたけれど、この庭園は神社境内の一角ということでまた別の作風。その中でもイザナギノミコト、イザナミノミコトを2つの立石で表した力強い石組の庭園になっています。
その他境内には“近江百華苑”、“さざれ石の庭”、彫刻家・中嶋登茂美さんによる干支の彫刻が立ち並ぶ“千丈の庭”などなどがあります――が、名前がついていない茶室?書院?周りの庭もちょっと気になったり…。
そんな感じで、2020年も“鈍穴”の庭園は更に観に行きたい。
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)