鹿王院庭園Rokuoin Temple Garden, Arashiyama, Kyoto

室町幕府三代目将軍・足利義満が建立した寺院の文化財庭園。俳優・大河内傳次郎や作庭家・田中泰阿弥も携わった?茶庭も。

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鹿王院庭園について

「覚雄山 鹿王院」(ろくおういん)は京都の代表的観光地・嵐山の渡月橋からやや東に位置する臨済宗の寺院。室町時代に三代目将軍・足利義満によって建立された寺院で、嵐山を借景にしたその庭園が京都市指定名勝です。
何度も前を通りながらも拝観したことがなかった鹿王院、2021年6月に初めて拝観。

その前身“宝幢禅寺”の創建は1380年(康暦2年)。開山に迎えられたのは夢窓疎石の高弟で、後に義満とともに『相国寺』を開いた春屋妙葩(普明国師)
当初は“京都五山”に次ぐ寺格をほこる大寺院だったものの応仁の乱で荒廃。その中で残ったのが塔頭だった鹿王院で、江戸時代に入り酒井忠知(=上野前橋藩主で老中の酒井忠恭?)の子・虎岑和尚により中興。

足利義満筆の扁額が残る総門が南北朝時代の建立と境内で最も古く、京都市指定名勝の庭園および庭園の中心に置かれる舎利殿は江戸時代中期の1763年(宝暦13年)頃の完成。
元は室町時代に“任庵主”という人物(人物というか庵主=当時の和尚?)が作庭した庭園があったそうですが、舎利殿建立の際に改築。舎利殿越しに嵐山を借景とし、苔の中に庭石を配した平庭式枯山水庭園になっています。この時期、奥の方では姫沙羅(夏椿)の落椿が見えた。

そして客殿の奥には現代に作庭されたと思しき茶庭(後庭)があります。その先にある非公開の茶室“芥室”は『大河内山荘』を建立した俳優・大河内傳次郎の寄進(時期は昭和中頃?)。客殿北側は昭和前期~中期にかけて改修を重ねていたそうで、京都市都市緑化協会によると古美術研究家・中野楚渓設計、施工は造園家・田中泰治によるものとある。

田中泰治=『銀閣寺』出入庭師で、京都をはじめ日本各地の古庭園の修復に携わり、故郷・新潟県内で名園を手掛けられている田中泰阿弥その人。ということは鹿王院の庭園の修復等にも携わっておられたのかな~。

客殿からの回廊の先にある本堂には運慶の作と伝わるご本尊の釈迦如来像など、幾つもの仏像が安置。そして鹿王院は絹本著色夢窓国師像、夢窓疎石墨蹟などの多くの国指定重要文化財も所蔵。嵐山で『天龍寺』に次ぐ文化財庭園も訪れてみて。

(2021年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅より徒歩6分
嵐電 鹿王院駅より徒歩4分
阪急嵐山線 嵐山駅より徒歩20分弱
最寄りバス停は「下嵯峨」バス停 徒歩3分

〒616-8367 京都府京都市右京区嵯峨北堀町24 MAP

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