鹿児島城跡・黎明館庭園

Reimeikan Garden (Tsurumaru Castle ruins), Kagoshima

九州の大大名・島津氏の居城“鶴丸城”。その本丸跡に開館した鹿児島の歴史を堪能できる“黎明館”の庭園はかつての御殿庭園を偲ぶ庭園。

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鹿児島城跡(鶴丸城跡)/鹿児島県歴史・美術センター 黎明館庭園について

「鹿児島城」(かごしまじょう)は戦国時代〜江戸時代の長い年月、南九州で一大勢力をほこった大名・島津氏の居城。通称は『鶴丸城』で、「鶴丸城跡」として鹿児島県指定史跡(文化財)。。現在は本丸跡に『鹿児島県歴史・美術センター 黎明館』(れいめいかん)が建ち、館内では鹿児島県の歴史や美術工芸品をたっぷり見ることができます。

2022年1月、初めて鹿児島を訪れた2010年以来12年ぶりに鹿児島城へ。一応目的は庭園で…黎明館の建物の奥には屋外展示スペースがあり、そこに奥に“御池”と呼ばれる池庭があります。

まずは鹿児島城について。初代薩摩藩主・島津家久(島津忠恒)により関ヶ原の戦い後の1601年に築城を開始、1604年に竣工。当初から背後の城山に軍事的な機能を持たせていたことから天守閣はもうけられず、本丸には政庁も兼ねた藩主・島津家の居館が築かれました。

100以上!の部屋があった巨大なそのお屋敷も廃藩置県/廃城令の後の1873年(明治6年)に火災で焼失。当時から残る主な遺構としては石垣と石橋で、立派な表門(御楼門)はつい近年、2020年に復元されたもの。

現在の黎明館の前庭、かつて藩主屋敷の“御池”と呼ばれた庭園があった場所には焼失前の御殿(奥後書院)とその庭園の写真のパネルが展示されています。時代的にも貴重な写真だ〜。
そんな“御池”も昭和初期には解体され、石材は地元の高校のプール建設や現・鹿児島市中央公民館の建築に転用、また鹿児島市鴨池動物園へと移されました。

黎明館の屋外展示スペースにある庭園“御池”は、鴨池動物園に移されていた庭石を再移築する形で1983年(昭和58年)に新たに作庭されたもの。かつての庭園をしのんで“御池”と名付けられました。御池の並びには茶室や茅葺の(二つ家)が建ちます。

で、1983年に開館した「黎明館」。今は「歴史・美術センター」だけど2020年までは「歴史資料センター」でした。島津氏が活躍した中世〜西郷隆盛大久保利通らが活躍した幕末〜維新期を中心に、古代〜昭和の天文館を再現した現代までの鹿児島の歴史がたっぷり見られる博物館。見応えあって見るのに結構時間が掛かるかも…!

あと“御池”の他にもモダンなデザインの中庭があります。こういうの作者知りたいんだよな…島津氏の庭園巡りの際にはあわせてチェック!

(2022年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

鹿児島市電 市役所前駅より徒歩6分
JR日豊本線 鹿児島駅より徒歩13分
JR九州新幹線 鹿児島中央駅より徒歩30分(*市内にシェアサイクル「かごりん」あり)

〒892-0853 鹿児島県鹿児島市城山町7-2 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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