洛東遺芳館庭園

Rakuto Ihokan Garden, Kyoto

加藤清正の家臣をルーツとし、江戸にも進出した京都の豪商・柏原家の期間限定で公開される江戸時代中期の京町家と庭園。

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洛東遺芳館(旧柏原家住宅)について

【期間限定公開】
「洛東遺芳館」(らくとういほうかん)は江戸時代の京都の豪商・柏原家(柏屋)の江戸時代中期に建てられた旧宅と、柏原家に伝わる美術品などを所蔵・展示している博物館、歴史的建造物(House Museum)。例年、春と秋のみ一ヶ月程度期間限定公開されます。

昨年秋の公開が終わる頃にその存在を知り、この春訪れたいと思っていた場所。(…そもそもあまり知名度がないからか…)ひっそりと公開されていたので訪れました。
実際この春の公開は殆ど来場者が居なかったようですが……座敷から眺めるの庭、めちゃくちゃ良くって大変癒された…!どこにも行けないGW、この座敷で長い時間ぼーっとさせていただいた。贅沢。

柏原家は熊本城主・加藤清正の家臣・柏原郷右衛門を祖とする家柄で、京のこの地に邸宅をかまえたのは江戸時代初期の1645年。その後、木綿・漆器・紙などを扱う商人として京のみならず江戸にも店舗をかまえる豪商の地位を築き、現在は東京・日本橋に本社をかまえる「柏原紙商事株式会社」や「創業元禄 漆器専門店 黒江屋」を営業しています。

ちなみに“黒江屋”は“柏屋”とはまた別のお店が発祥。紀州の商人が漆器・黒江塗のお店を1689年(元禄2年)に開いたことに由来し、創業家が紀州に戻る際に柏屋に経営が移りました。ちなみに和歌山・黒江にはの庭園『琴ノ浦 温山荘園』があります。

その後現代に至り、洛東遺芳館は柏原家の所蔵品を公開する施設として1974年に開館。なので公開京町家としても意外と歴史があり…現存する建築は1763年(宝暦13年)築の商家。なお展示室にあった1820年時点の図面によるともっと広い建物だったのかな、という印象を受ける(庭園もこの図面に存在が描かれている)。これだけ大きな規模の京都の商家って意外と見る機会が無い気がするので貴重な施設。

内装には洋間もあるし、お茶室のガラス窓も近代風なので近代にかけて多少の改変は経ているようですが、でもその近代の意匠がまためちゃくちゃ良くって!庭園が眺められる大広間も、照明は大正時代…って感じのレトロな照明なのがすごく素敵。

敷地内の蔵では『令和2年春季展 大坂の絵師と婚礼調度品展』が開催されていました。江戸時代中期~後期の大坂で活躍した絵師・大岡春卜(狩野派)、月岡鼎、墨江武禅、森狙仙、上田公長、翠釜亭邦高、中井藍江、橘守国、日根対山、流光斎、松好斎…などの絵画や、所蔵する8,000点の古美術品・調度品の中からテーマに沿った品が展示。大岡春卜は伊藤若冲に強く影響を与えた絵師としても知られるそう。まだまだ知らない歴史的な絵師が居るなあ……また秋の展覧会にも足を運びたい!

(2020年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪電車 清水五条駅より徒歩3分
京都市営地下鉄烏丸線 五条駅より徒歩15分弱
最寄りバス停は「五条京阪」徒歩2分

〒605-0907 京都府京都市東山区問屋町通五条下ル西橘町472 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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