小堀遠州の菩提寺に作られた「遠州好みの庭」。苔の美しい枯山水と池泉鑑賞式庭園。滋賀県指定名勝。
近江孤篷庵庭園について
「近江孤篷庵」(おうみこほうあん)は江戸時代の初期、小堀遠州の没後に遠州を弔うために息子・小堀宗慶により創建された寺院。江戸時代中期に作庭された「遠州好み」の庭は滋賀県指定名勝となっています。
関ヶ原の戦い後、大名として備中松山藩主を務めた小堀政一が次に得た領地は地元・近江国の近江小室藩。小室藩初代城主として築城した「小室城」は早くして廃城になったためあまり遺構は残っていないそうですが、その小室城からほど近くに「近江孤篷庵」は開かれました。ちなみにその名は小堀遠州が京都・大徳寺に造った「孤篷庵」にちなんだもの。なお「近江孤篷庵」を開いた小堀宗慶も若くして松花堂昭乗に師事し、遠州流茶道の2世になっています。
以後小堀家の菩提寺となり、一時期荒廃した時期もあったそうですが、現在は「素盞烏命神社」(これも桃山・江戸初期の神社)を過ぎると苔がきれいな参道が続き、その途中には遠州を含めた小堀家の墓所もあります。
近江孤篷庵は1700年代に一度移転しており、現在の庭園はその際に作られたと推定されているとのこと。一面に苔の広がる枯山水庭園と、琵琶湖をイメージしたという池を中心とした池泉鑑賞式庭園(回遊式庭園?)。庭園に関する詳しい解説は9、12枚目の写真をご覧ください。紅葉の名所と言われますが、今回はすこーし紅葉には早かった…。なお孤篷庵は遠州流の茶会も開かれており、同時期の庭園の中でも“侘び寂び”といった世界観を感じる。
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数年前からその名前は知っていましたが、2018年秋にそろそろ行きたい!と心に決めてようやく初訪問。どの駅からも遠いのは元々把握済みだったのですが、調べるうち公共交通機関では辿り着けないことが判明……ということで下記の交通情報にもレンタサイクル情報を書いていますが、自分は長浜駅付近のレンタサイクルで向かいました。12km、片道約1時間ほど――。
最寄りの集落・上野町で「お市ちゃんタクシー」の停留所を見つけましたが後日調べたら市民の登録者しか利用できないとのこと…なので本当に公共交通機関では行けない庭園ということになります。いつか紅葉のピーク時に訪れてみたいけど交通機関は要再検討…でも滋賀は自転車で走っていると色んな街並み、歴史スポットに出くわすので楽しい。(オススメはしづらいけど…)
なお上野町にある「西通寺」には小室城の門が移築されています。またもう少し小室城跡寄りにある「五先賢の館」にも現代になって造られた遠州流庭園があるそうなので、寄ってみると良いかも…?(知ってたら寄ってた…)
(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR北陸本線 河毛駅・虎姫駅より約7km(いずれも駅前にレンタサイクル?)
地元の登録者のみ、お市ちゃんタクシー「上野」停留所から徒歩約10分 ⇒詳しくはこちら
〒526-0264 滋賀県長浜市上野町135 MAP