平戸藩主・松浦氏の側室“御部屋様”の屋敷地だった場所に平成年代に作庭された池泉式日本庭園。面影を残す石畳/石段が平戸市指定史跡。
御部屋の坂庭園について
「御部屋の坂庭園」(おへやのさかていえん)は平戸藩主・松浦氏が藩主邸を構えた一帯『御館』にある、平成年代に観光向けに作庭された池泉式日本庭園。庭園へと至る「御部屋の坂」が平戸市指定史跡。
キリスト教の伝来/南蛮貿易など、日本の歴史においても欠かせない港町・平戸。江戸時代に平戸藩を治めた松浦氏は古くは平安時代末期の源平合戦の壇ノ浦の戦いや鎌倉時代の元寇にも参戦し水軍・松浦党として名を馳せました。
江戸時代の居城『平戸城』から約1km、平戸城天守と港をのぞむ高台に築かれたのが別邸「鶴ヶ峰邸」、現在の『松浦史料博物館』。こちらの丘(山)は鎌倉時代に松浦氏の居城があったという歴史もあり、江戸時代には松浦氏や上級武家屋敷が立ち並んでいたそう。
まるで城郭のような石段・石畳の「御部屋の坂」は御部屋様=藩主・松浦氏の側室の屋敷があったことがその由来。その屋敷地があったと言われる坂の中程に2005年(平成17年)に新たに作庭されたのがこの「御部屋の坂庭園」。元々の地形の斜面を活かして石組の組まれた池泉鑑賞式庭園。
池の鯉を守りたいあまり庭園の池泉が隠れてしまっているのは、庭園好きとしては気になるところですが、池の脇の小亭でお庭を眺めながらまったりと休息がオススメ!
(2014年9月、2024年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
松浦鉄道 たびら平戸口駅から約5km(駅にレンタサイクルあり)
たびら平戸口/佐世保市内から路線バス「平戸桟橋」バス停下車 徒歩4分
〒859-5102 長崎県平戸市大久保町 MAP