文豪・夏目漱石が熊本時代に最も長く暮らした和洋折衷の近代住宅。熊本地震後は庭園のみ公開中。
夏目漱石内坪井旧居について
言わずと知れた近代日本を代表する文豪・夏目漱石。夏目漱石は明治時代に教師として熊本に居住し、ロンドン留学までの4年強の期間で6度転居しました。そのうち熊本の市街地からも最も近い「夏目漱石内坪井旧居」(なつめそうせきうちつぼいきゅうきょ)は5番目に暮らした住宅であり、最も長い期間(1年8ヶ月)暮らした家になります。
熊本地震前は「記念館」として明治時代の和洋折衷の建物内を見学できたそうですが――震災の影響を大きく受け現在(2019年現在)は庭園のみの公開。表門は閉ざされており玄関は見られず、お庭から見た状況も――2016年に初めて訪れ2018年末に再度訪れましたが状況はあまり変わっていませんでした。洋館の窓枠の下部が剥がれたままなのが痛々しい。
熊本城の復旧が急ピッチで進む一方で、このように手が回っていない文化遺産もあります。それは仕方がないことだから、一つの記憶としてこのお庭をアップしておく。次回熊本に訪れた際にも様子を見に行こうと思います。
なお『夏目漱石第三旧居(大江旧居)』が「水前寺成趣園」のすぐ近くにあります(7・8枚目)。こちらは2016年に訪れた時も、大きな被害は受けなかったのか既に建物内部を公開していましたが――一方ですぐ隣の敷地にあった洋館「旧ジェーンズ邸」が――ペシャンコになっていた。次回熊本へ行ったら見たいと思っていた建物だったのだけど――今後移築復元を予定しているそうですが、建物も庭園も永遠ではない。東北(三陸)も熊本もそれ以外の天災による被災地も――意識して旅行に行き続けたいなあ、と思う。
(2016年12月、2018年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)