南禅寺 南陽院庭園

Nanzenji Nanyoin Temple Garden, Kyoto

2022年秋に特別公開!京都の紅葉の名所“南禅寺”の通常非公開の塔頭寺院に残る、木島櫻谷の障壁画と七代目小川治兵衛作庭の庭園。

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南禅寺 南陽院庭園について

【通常非公開/2022年秋に特別公開】
「南陽院」(なんよういん)は京都を代表する寺院の一つ『南禅寺』の塔頭寺院。“庭の国宝”こと国の特別名勝に指定されている『金地院庭園』のお向かいにある寺院で、近代京都を代表する庭師・七代目小川治兵衛(植治)が作庭した庭園が残ります。

通常非公開の「南陽院」さん。不定期でイベント会場となり、その際に拝観できることも。
それがあまり大々的にPRされることがこれまで無かったのですが、2022年11月〜12月に京都・泉屋博古館で開催の特別展「木島櫻谷-山水夢中-」の連携企画、「南陽院本堂《木島櫻谷山水障壁画》特別公開」は大っぴらに周知されている企画。開催日等の詳細は↓の展覧会公式サイトよりご覧ください。これを機に3年ぶりに拝観しました!

室町幕府三代目将軍・足利義満によって定められた“京都五山”で別格扱いとされた、日本の禅宗では最高クラスの寺院『南禅寺』。明治時代にその法堂の再建に尽力した第4代南禅寺派管長・高源室(豊田毒湛)の隠退後の居所として1910年(明治43年)に創建したのが南陽院。

その創建の際、近代日本画家・木島櫻谷により50面もの山水障壁画が描かれました。元は師の今尾景年が南禅寺法堂の天井画を制作に取り掛かった際に弟子として参加した櫻谷。その繋がりから?南陽院に残された襖絵は、氏が34歳の時に日本各地の風景(耶馬溪や飛騨川、春日野など)を優しく投影したもの。

そして庭園の作庭は七代目小川治兵衛(植治)。本堂(方丈)の前に広がるのは小川治兵衛が岡崎〜南禅寺界隈で多く手掛けられている“池泉回遊式庭園”ではなく、苔と白砂、横に寝そべった庭石による枯山水庭園。
庭石のまわりを低い刈込みで囲っているその作風は『南禅寺方丈庭園』=“虎の子渡しの庭”を植治なりに表現したもののようにも思えるし、櫻谷の描いた『渓山煙霧』『漁村晴望』の世界を表現したもののようにも思える。

左手方向(東側)には東山連峰の借景をすぐそこにのぞみ、手前には小さなお堂を中心においた池泉庭園があります。これは琵琶湖疏水から引かれた水によるものとのこと。
2022年、この特別公開の機会にぜひチェック!

(2019年12月、2022年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄東西線 蹴上駅より徒歩5分
最寄バス停は「南禅寺(疏水記念館・動物園東門前)」バス停下車 徒歩約5分

〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町86-10 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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