南専寺庭園

Nansen-ji Temple Garden, Ono, Fukui

江戸時代中期の作庭と推定されている福井県指定名勝の庭園。永平寺から移築された唐破風の山門も県指定文化財。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

南専寺庭園について

【拝観は事前に要問合せ】
「南専寺」(なんせんじ)は大野市の郊外にある寺院で、本堂の裏にある池泉回遊式庭園が福井県指定名勝、そして山門も福井県指定文化財。
越前大野の城下町からは6km強。越美北線・下唯野駅からは徒歩10分もしない距離なので、地方での庭園巡りでは“駅から近い”と言える部類だけど――この下唯野駅、1日5往復しかない…!鉄道で行く場合は周到に時間割を組む必要があります…訪れた時、一両編成のかわいい車両がちょうど通り過ぎて行った。自分だったら6kmぐらいなら大野駅からレンタサイクルを選ぶ…。(なおこの日は珍しくスクーターを借りて庭園を巡ったので自転車じゃなかったけど、大野駅からアップダウンは殆ど無かったので自転車でも全然行けると思う)

このような立地だからか拝観に関する情報が殆ど無く…事前に大野市の文化財課に問合せた所、「直接お寺さんに聞いてください」ということだったので、電話にて庭園拝観の許可を頂いて今回訪れました。
まずは県の文化財となっている山門について。唐破風が特徴の山門は、江戸時代初期に永平寺(現在も福井を代表する寺院)境内に作られた福井藩4代目藩主・松平光通の正室、清池院の霊廟の正門を1780年に移築したもの。移築には永平寺大工の玄之源左衛門が関わったそう。門のアップを撮ってなかったけど…藩主ゆかりの建造物ということで彫刻の意匠も美しい。

そして県指定名勝の庭園の詳しい解説は、画像12枚目の庭園研究家・京都林泉協会幹事 阪本至男さんの文章をご覧ください…!氏の解説によると、その作庭手法から江戸時代中期頃の作庭と推定されています。庭園を中央から眺めると築山には三尊石組も見えますが、樹木が大きくなってしまったのか少し樹木の裏に隠れた状態。あとこじんまりとした池中の亀島はかわいい。

同じく福井藩の寺院で名勝庭園のある『滝谷寺』『城福寺』あたりとはまた全くイメージが異なる庭園。今回訪れた時期はまだ積雪期が終わったばかりで、冬の間に落ちた葉を片付ける前だった――のでちょっと茶色が目立つけれど。露出している部分と同じく枯れ葉の下にはきれいな苔が揃ってるんじゃないかなあ…またいつか別の季節に訪れたい!

(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR越美北線 下唯野駅より徒歩8分(列車本数少ないです)
JR越前大野駅より7km弱(レンタサイクルあり)
越前大野駅より市営バス「唯野」バス停下車 徒歩10分(※鉄道同様本数は僅少)

〒912-0822 福井県大野市下唯野18-10 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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