週一でオープンデイも。学生と地域の交流の場としての活用を目指す、西陣の近代京町家の庭園。
京都産業大学 町家 学びテラス・西陣について
【水曜日にオープンデイあり】
「京都産業大学 町家 学びテラス・西陣」(きょうとさんぎょうだいがく まちや まなびてらす にしじん)は昭和初期に建てられた築約100年の京町家を活用した地域交流施設/シェアオフィス。
常時公開ではないですが、毎週水曜日に学生と地域の交流・利用を目的とした“オープンデイ”が設定されており、大学関係者以外の一般の方の利用も可能。
京都御所から真西に徒歩約10分、堀川中立売の交差点を入ってすぐの場所にあるこの京町家を知ったきっかけについて。
コロナ禍より前の2019年秋、岡山県西粟倉村のゲストハウスに泊まった時にクラフトビール飲みながら共有スペースで作業をしていたら、声を掛けてきた方が偶然京都の方でそしてこの京町家に入居されているという方だった。
「全国の庭園を見て回ってるんですよ」「この京町家の庭も見てみたい」なんて会話を交わして…その後はコロナ禍でなかなか訪れられなかったんだけど、2021年7月に初めて訪れました。
現在この京町家を運営されているのは京都産業大学。京産大は上賀茂にキャンパスがありますが、京都市内や小豆島に複数のサテライトキャンパス/交流施設があります。この「町家 学びテラス・西陣」は2020年に開設したもっとも新しい場。
で、更に歴史を遡ると“京町家を活用する”形で前身施設が開かれたのは1999年(平成11年)。現在では1階を交流・ミーティングスペースとして学生や教職員の学びの場として利活用し、2階は起業家育成支援のためのレンタルスペースとして運営されています。
またものづくりが盛んで近年はアーティスト/クリエイターが集う場への変貌が進む西陣地域との交流を目的として、“町家オープンカレッジ”といった企画も。
訪れたこの日には作家・白幡磨美さんによる、使われなくなった着物の帯に新たな命を吹き込んだ“ORIOBI”が床の間に飾られていた。
元は染色業を営まれていた方の職住一体となった住居と、お客様を接待する迎賓施設を兼ねて建てられたというこの京町家。門をくぐって、通り庭までいかずすぐ右手にあるのが玄関。視線の先に庭園が見えたり、すぐ洋風の客間があったり。伝統的な京町家から近代の京町家への移行期といった構造が特徴(玄関すぐに洋間がある京町家というのは『旧川崎家住宅』と同じ)。
主座敷からは道路側の庭園と主庭が前後に眺められます。建築と同じく昭和初期の姿をそのままに保つ主庭園は鞍馬石の沓脱石~伽藍石~大きな石灯籠が配され、その奥にはコンクリート造りの蔵の姿。そして運営者が水やりをされている苔も青々と元気な姿が保たれています。
2021年夏に最初は「見せていただくこと」が目的に訪れたけど、2022年には何度かリモートワークの場として利用させていただいています。京都産業大学の学生さんに限らず、他の学校の学生さんや社会人も訪れ交流の場になっているので、オープンデーにはお気軽に!
(2021年7月、2022年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)