蕎麦処くに作 / CASA KUNISAKU

Soba Restaurant Kunisaku Garden, Machida, Tokyo

町田駅から徒歩5分の都会に残る、貴重な自然を残す庭園。町田市指定保護樹木の古木、東京市電の敷石を再利用した庭石にも注目の蕎麦処。1日1組の宿も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

十割板蕎麦 くに作 / CASA KUNISAKUについて

「十割板蕎麦 蕎麦処くに作」は小田急小田原線・町田駅から北西へ徒歩5分ほどの場所にある、日本庭園のあるお蕎麦屋さん。庭園内では樹齢300年、町田市指定保護樹木となっているイヌマキの古木や京都の銘石“加茂の七石”をはじめとする銘石・石造物が見られます。

また1日1組限定の宿『CASA KUNISAKU』や貸ギャラリー『白泉画廊』も併設。2023年夏、『CASA KUNISAKU』利用のため初めて訪れました。町田にこんなお庭のあるお食事処&宿があるなんて知らなかったな…!

その店名の通り、こだわりの十割蕎麦を味わうことができる蕎麦処くに作さん。開店は2014年6月と比較的近年なのですが、町田駅からも近い都会の住宅街でありながら歴史を感じる冠木門が出迎えてくれます。

「くに作」の店名のルーツは“五島財閥”五島慶太に請われ東急電鉄に入社し東急田園都市線開通の陣頭指揮を取り、また東京都や町田市の公職でも農地改革や都市開発に尽力した地域の名士「石川国作」さん。現在残るお庭はその石川国作さんの自邸のお庭として、妻・美和子さんと共に昭和時代に作庭された庭園。

住所に「森野」とある通りこの一帯は高度成長期以前は森が生い茂る地域だったそう。先述のイヌマキの古木をはじめとする、武蔵野の森の面影を残す貴重なお庭を残したい…という想いから、お庭と建物を活かす形で蕎麦処として開店。現在はそのお孫さんがお店を引き継ぎ《町田に蕎麦屋あり。蕎麦屋はくに作と呼ぶ》を目標に掲げ運営されています。

蕎麦処としてのテラス席など一部は現代に作り替えられていますが、先述の古木や京都の銘石“加茂の七石”の巨石、佐渡の赤石や貴船石、そして由緒がありそうな古い石造物が点在。そして石畳の園路もかつての東京の路面電車の敷石を石川国作が収集し庭に再利用したもの。京都市電の敷石を再利用した石畳は時々お聞きするけれど、東京市電のものと聞くのはレア…!

かつてお茶会や和歌の会の場にもなっていたという和風の室内にて空間で美味しいお蕎麦をいただくことができます。外のテラス席を活用したコンサートやお能などのイベントも開催されている蕎麦処くに作さん。お近くの方も町田遠征をされる予定の方もぜひチェックしてみて。

(2023年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

小田急小田原線 町田駅より徒歩5分
JR横浜線 町田駅より徒歩8分

〒194-0022 東京都町田市森野1丁目27-11 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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