離岸 Gallery & Chanoyu

Rigan Tearoom Garden, Setagaya-ku, Tokyo

《茶の湯としての品格を損なわずに、多くの人が気軽に茶の湯を楽しめる場所を》…そんな店主の想いも素敵な、東京・経堂の新たな“市中の山居”な茶室/露地庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

離岸 Gallery & Chanoyuについて

「離岸 Gallery & Chanoyu」(りがん ぎゃらりーあんどちゃのゆ)は2022年に東京・世田谷の経堂駅前にオープンしたギャラリー。ショップの奥に茶室・茶庭があり、予約制で茶室内で呈茶をいただくこともできます。
庭園の作庭は西東京の庭師、「石正園」平井孝幸さん。“雑木の庭”の創始者で昭和の東京を代表する作庭家のひとり・飯田十基に弟子入りし学び、その作風を現代に伝えるひとりです。

「おにわさん」の中の人のコラムも掲載されている雑誌『庭NIWA』vol.251。その「露地」特集でも取り上げられていた庭園の一つがこの「離岸」。2023年春に初めて訪れました。

経堂の駅すぐ近くに2022年5月にオープンしたこちらのショップ、道に面したショップでは全国各地の現代陶芸作家さんによる作品(茶器はもちろん、食器や花器など)を展示/販売されています。

その店舗棟の奥に、経堂駅前の都会にこんな場所が出来たとは…!と思わず驚く、茶室と露地庭があります。丸太/材木などの材料は京都で選ばれたという新築の四畳半の茶室は、お茶会での貸し出しや茶道教室のほか、予約制で呈茶(1,500円で季節の香煎/本日の上生菓子/薄茶のセット)をいただくことができます。気軽なカフェというよりは、もう少ししっかりと本格的な形式。
今回自分も呈茶で茶室に上がらせていただいて。本当に駅に近いので小田急の電車の音こそ聞こえますが、その音と茶室の静かな空間はある種の“アンマッチの美”を感じさせる…。

ちなみに驚くのが、このお店を営まれている店主がまだ30代だと言うこと。茶室を作ろうと思ったのもその店主で、露地の園路(延段)の中にも店主こだわりの材(庭園で普段見かけないもの)が一部用いられています。
決して“若いから軽い”訳でも勿論無いし、一方できっとその年代に近い若い方が足を運んでもプレッシャーにならない位のカジュアルさを併せ持っている場で——なのでぜひ若い方に足を運んで欲しい。

《茶の湯としての品格を損なわずに、多くの人が気軽に茶の湯を楽しめる場所をつくる。難しいことではありますが、離岸がミッションとして考えていることです。》

という、店主が公式サイトで書かれている想いが節々から感じられる素敵な空間。そしてこの場がお茶・茶室、露地庭に興味を持ってもらう入り口のような場所になったらなぁと思っています。今後東京へ行く時は度々立ち寄りたい、お気に入りスポット!

(2023年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

小田急小田原線 経堂駅より徒歩4分

〒156-0052 東京都世田谷区経堂2丁目15-3-2 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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