『足立美術館庭園』の作者・中根金作が地元静岡県西部で手掛けた枯山水庭園と、レアな露天風呂。
湖西市老人福祉センター庭園について
【平日のみ公開】
「湖西市老人福祉センター」(こさいしろうじんふくしせんたー)は静岡県で最も西にある自治体・湖西市のシニア向け交流施設。その中庭に地元静岡県西部出身の造園家・中根金作の作庭した枯山水庭園があります。この施設の周辺にある「浜名川親水公園」と併せ、昭和61年の完成。なお親水公園は1997年には『静岡県都市景観賞』(優秀賞)を受賞しています。
世界的に有名な『足立美術館庭園』や京都の『城南宮神苑』をはじめ、海外でも日本庭園を手掛けた現代を代表する作庭家・中根金作の造った庭園がこの新居町には複数あるとされます。
その一つが4年前に先に訪れていた『新居文化公園(新居図書館庭園)』。そして中根庭園研究所の実績にはこの老人福祉センターも載っていたので同日に訪れたのですが――土休日だったので閉まってた。
昨年、湖西市によるイベント『浜名湖おんぱく』で公開イベントが行われるという情報を見て、今後は観光資源になるのかも!?と期待を抱いて今回見学について施設にお問合せしたところ、快く受け付けていただけた!ので初めて見学しました。(※あくまで市民向け・老人向けの施設なので事前の問合せ推奨。)中庭の枯山水庭園は正面から見ると石橋が、裏から見てもまた異なる石組や植栽が楽しめるようになっています。
今回センターの担当者に一部ガイドしていただいたのですが、施設の奥にある入浴施設(大浴場)の露天風呂の敷石や石組も中根庭園の方で手掛けられたとのこと(写真9〜10枚目)。2018年で入浴サービスが終了したということで今回見学をさせていただきました。
正面から見て左手にある高い石は富士山を表現しているとのこと――しかしこうやって話を聞かなければ、まさか田舎町のお風呂を京都や世界で名園を手掛けられてる庭師さんが作ったとは思わないよなぁ(笑)手すりがなければ、池泉鑑賞式の庭園に見えてくるかも。
こういった新居町に残る中根金作さんの庭園や作品を巡るガイドツアーが、地元のガーデンデザイナー・吉元洋美さんによって不定期で行われています。詳しくは吉元さんのブログまたはInstagramからチェック!
また今回施設の方もガイドしていただいたように、湖西市・新居町として「中根金作の庭園」に関して興味が高まっていることの現れだと思いました。文化財と言うには早いのかもしれないけど、世界的評価を受けている人の作品を維持保存することへの機運は熟成されたらいいなあ…と思います。
その他、静岡県西部にある中根金作作庭の庭園としては磐田市の『宝珠寺庭園』があり、湖西市内の庭園としては隣駅・鷲津から徒歩圏内に小堀遠州の作庭と伝わる『本興寺庭園』があります。併せてどうぞ!
東海道の関所があったことで知られる新居町には今でも新居関所の跡や古建築、寺院が点在しています。中根金作が手掛けていなくとも眠っている庭園がありそうだなあ…。
(2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東海道本線 新居町駅より徒歩約20分(駅にレンタサイクルあり)
【平日のみ】新居町駅よりコーちゃんバス白須賀新居鷲津線「老人福祉センター」バス停下車⇒時刻表はこちら
〒431-0303 静岡県湖西市新居町浜名643-1 MAP