元勲・山縣有朋が晩年を過ごした邸宅跡に残る池泉回遊式庭園。京都・無鄰菴、東京・椿山荘と並び「山縣三名園」の一つ。
古稀庵(旧山縣有朋別邸)庭園について
【日曜日のみの公開】
「古稀庵」(こきあん)は近代日本の代表的な政治家の一人・山県有朋が明治時代後期に造営し、大正時代に没するまでの晩年を過ごした邸宅と庭園。京都の『無鄰菴』・東京の『椿山荘』と合わせて“山縣三名園”と呼ばれている(とかいないとか)。
現在は企業の保養所となり日曜のみの公開ですが、かつてはジョサイア・コンドルによる洋館もあったそう。庭園の所々にある「流れ」が山縣庭園の中でも最も有名な無鄰庵を思い起こさせる、山縣こだわりの庭園。復元されたという茅葺屋根の門には山縣有朋自筆の「古稀庵」の額が掛けられ、その門をくぐるとまもなく山縣庭園らしい水の流れが見られるようになります。
無鄰菴と最も違うのはその高低差。斜面に沿って造られたこの庭園は、高台部からは箱根山と相模湾を眺められたとされ(現在は相模湾は木に隠れてしまって見えませんが)、階段を下って低地部に降りると、高台から落ちてくる滝と林の中の風景を歩くことができます。
晩秋には紅葉がきれい――と聞いていたので、その時期にも行ってみたいな~と思っていたのですが、12月初旬に訪れた3回目の今回は期待通り紅葉の見頃!またこれまでで一番葉が落ちている時期だったので木々の間からの見通しも良く、借景とされていたと言われる箱根山も良く見えました!
また2018年秋より、かつて「古稀庵」の一部でもあった近隣の『皆春荘』が一般公開を開始!こちらにも山縣有朋本人が作庭にこだわったという“流れ”のある庭園があります。古稀庵はこれまでの3回とも他に人はあまりおらず、観光化されていないというか(企業所有なのでやむないけど)、穴場というか…なんとも言えないところですが、隠れているのは無鄰菴に劣らない名園……かも?首都圏の人で、京都まで行くのが遠いと感じている人が居たら、日曜に小田原でぷらっと庭園巡りはオススメ!
またこの「古稀庵」にあった茶室「暁庵」は、箱根湯本の温泉旅館『吉池旅館』に移築・公開されています。この「吉池旅館」にも明治時代の広い池泉回遊式庭園や三菱財閥・岩崎家ゆかりの建造物が残ります。
(2017年10月、2018年5月、2018年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
箱根登山鉄道 箱根板橋駅より徒歩7分
JR東海道新幹線・小田急小田原線 小田原駅より徒歩25分(市内にレンタサイクルあり)
〒250-0034 神奈川県小田原市板橋827 MAP