
2025年NHK朝ドラ“ばけばけ”で注目の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が松江の次に暮らした“熊本旧居”。大名茶人・松平不昧公ゆかりの石造物も。熊本市指定有形文化財。
小泉八雲熊本旧居について
「小泉八雲熊本旧居」(こいずみやくもくまもときゅうきょ)は熊本県熊本市の中心部に残る、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが暮らした家屋/旧居。明治時代の和風建築が熊本市指定有形文化財となっています。
明治時代にアメリカから来日し(国籍はイギリス/現・アイルランド)、怪談『耳なし芳一』『雪女』などを残した明治の文豪のひとり・小泉八雲。2025年〜2026年にかけてはNHK朝ドラ「ばけばけ」でもその主役級のひとりとして登場します。
国指定史跡『小泉八雲旧居』を残す島根県松江市で英語教師として約1年間を過ごし、その間に小泉セツ(小泉節子)と出会い結婚した八雲。1891年(明治24年)八雲が熊本・第五高等中学校(熊本大学の前身)への転勤にともない二人が次に暮らしたのがこの「熊本旧居」。現在は熊本市の繁華街、『鶴屋百貨店』の裏側に位置します。
当初は西南戦争の直後、元熊本藩士・赤星晋策の自邸として建築されたとされるこの和風建築。元藩士の邸宅ということで式台玄関や間取りなど武家屋敷(下級武家屋敷)の様式を残し、なので八雲は松江に続いて2軒続けて旧武家屋敷で暮らしたことに。八雲は約1年間この家屋で暮らし、1年後には『夏目漱石内坪井旧居』もある坪井エリアに転居します。
そんな文豪の暮らしたこの家屋も高度成長期には取り壊しの危機に。しかし、熊本日日新聞社とその経営陣により設立された「小泉八雲旧居保存会」の活動が実り、現在地に移築〜往時の6割程度の規模にはなったものの熊本市の文化財として保存されることになりました。
お庭にある少し変わった石灯籠「ふくろうの灯籠」は、先に八雲が暮らしていた松江市との縁からこの旧居に移されたもの。
実は、元々は江戸時代後期の代表的な大名茶人/松江藩主・松平不昧が所有していたという逸品。明治時代、東北帝国大学の名誉教授や熊本大学教授をつとめた中村左衛門太郎博士が所有していた所、この旧居の移築に伴い贈られました。
移築に伴って作庭されたこのお庭は決して広いお庭ではありませんが(※屋内から眺めるのみ)、松江の旧居のお庭とどこか似た雰囲気も感じられる&温暖な熊本ならではの植栽の違いも楽しい。九州・熊本旅行の際にはぜひ立ち寄ってみて。
(2015年9月、2024年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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