嵐山の借景が美しい枯山水庭園“虎嘯の庭”。日本画家・竹内栖鳳とその一門による作品群も見所!
弘源寺庭園について
【期間限定公開】
「弘源寺」(こうげんじ)は世界遺産寺院『天龍寺』からすぐの場所にある塔頭寺院。通常非公開ですが、例年春と秋に期間限定で嵐山を借景とした枯山水庭園“虎嘯の庭”(こしょうのにわ)が特別公開されます。同じく期間限定公開される『宝厳院庭園』と併せて2019年秋に初めて訪れました!
室町時代の1429年、管領・細川持之が夢窓国師の三世の法孫・玉岫禅師を迎えて創建。ちなみに“弘源”というのは持之の院号なんだそう。
創建当時は現在地よりも北側、『二尊院』がある辺りまで寺領を有していたそうで、松尾芭蕉の高弟・向井去来が営んだ『落柿舎』の裏に弘源寺の墓地が残ります(そしてそちらに向井去来の墓所があります)。
弘源寺そのものは徐々に縮小され明治初期に『維北軒』と合併しだいたい現在の規模に。現在の本堂は江戸時代初期、寛永年間に建てられたものが残っており、建物内には幕末の1864年に起こった「蛤御門の変」の前に弘源寺に宿泊していた長州藩士により試し切りされた刀の傷跡も残っています。この本堂と山門が京都府暫定登録文化財。
そんな本堂の前に広がる枯山水庭園が“虎嘯の庭”。天龍寺の『曹源池庭園』や宝厳院庭園をお手入れされている曽根造園さんが関係ありそう…と思ったんだけど実績に載っておらず。その他にも作庭者・作庭年代に関する情報が見当たらない…分かったら追記します。また本堂裏にも池泉式庭園が。
庭園も借景が美しく楽しめるのですが――絵画が好きならばこのお寺さんの見所は近代日本画家・竹内栖鳳の作品群と竹内に師事した上村松園、そして横山大観などの作品にも興奮するはず。
ちなみに…竹内栖鳳の別邸もかつて嵯峨嵐山エリアにあり、“霞中庵”という名で以前は記念館(美術館)として運営されていたそうですが、現在は別の会員制施設になっています。庭園は残っているみたいなのでいつか見たいなあ…。
その他、毘沙門堂に祀られている毘沙門天は国指定重要文化財。また春の公開でも訪れてみたい!
(2019年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陰本線 嵯峨嵐山駅より徒歩9分
嵐電北野線 嵐山駅より徒歩3分
阪急嵐山線 嵐山駅より徒歩13分
〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町65 MAP