
2025年から一般公開開始…“地域おこし協力隊”の手で再生が試みられている、島原藩の上級武家屋敷と国の登録文化財の建築と庭園。
小早川邸 / 小早川氏庭園について
【2026年現在:公開中】
「小早川邸」(こばやかわてい)は長崎県島原市の城下町に残る旧・武家屋敷。「小早川家住宅」として建築4棟が国登録有形文化財、庭園も「小早川氏庭園」(こばやかわしていえん)として国の登録記念物(名勝地関係)に選ばれています。
城下町・島原では『湧水庭園 四明荘』が近年観光スポットとしても人気が出ている歴史的庭園ですが、それと同じ「国の登録記念物」としてもう一つ島原に残るのがこの小早川氏庭園。2018年に初公開が行われて以降はずっと非公開の庭園でしたが、2025年より「地域おこし協力隊」として着任した「国房さん」によって一般公開が行われています。現在は長年手が入っていなかった所からの再生の最中。全国には300ほどの「国の文化財庭園」がありますが、地域おこし協力隊の方が主導で運営・再生を試みている庭園は初…?
島原城や島原武家屋敷通りからは徒歩10分程、島原城の旧・三の丸に位置する小早川邸。先の武家屋敷通りは下級武士が集中していたエリアであるのに対し、この小早川邸のある通りは上級武家屋敷街でした(公開されている/文化財となっているのはこの小早川邸だけですが、通りに並ぶ塀やお屋敷がその面影を感じさせます)。
この小早川邸は薬医門と石塀が江戸時代末期の建築、そして煉瓦塀と主屋が近代/明治時代の建築。門や主屋がザ・武家屋敷を感じさせる一方で、早々に煉瓦塀が取り入れられている所に小早川家の文化力が感じられます。
主座敷に面して、国の登録文化財となっている庭園があります。エル字型の/心字池を中心とした池泉鑑賞式庭園。庭園も江戸時代に作庭されたものと推定されているのですが、大名クラスではない藩士の庭園としては規模も大きい…それは水が豊富な島原の地域性もあるのかも。島原の庭園は「湧水」を活かしているのがその特徴の一つですが、この小早川邸の上段部には藩主の御殿『常盤御殿』があり、その常盤御殿の湧く湧水から流れ落ちた水を取り入れていたのだとか。そんな位置関係も小早川家の格を感じさせます。
池泉にかかる二連の石橋も特徴的…もっと言うとそもそもこの小早川邸は石塀がとても特徴的で。島原は石工の技術が優れていたんだなぁ、と感じるポイントです。
2026年夏には「竹とうろう」のライトアップイベントなども開催。古庭園、文化財の庭園が好きな方はもちろん…九州の庭師/植木屋の方で、「文化財の庭園に関わりたいが、きっかけがない」という方はぜひ一度訪れて、国房さんとコミュニケーションを取ってみて欲しい…!
(2018年11月、2026年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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