庭の国宝、日本三名園の一つ。加賀百万石・前田家の歴代藩主が江戸時代に作庭した、世界中から人が訪れる大名庭園。
兼六園について
「兼六園」(けんろくえん)は言わずと知れた日本を代表する庭園の一つで、水戸・偕楽園、岡山・後楽園と共に“日本三名園”と並び称されます。
江戸時代を通じ、加賀百万石の大名・前田家の歴代藩主によって築庭が進められた大名庭園で、“庭の国宝”国の特別名勝に指定。また同じく国指定名勝庭園である『成巽閣庭園』が隣接しています(行き来可能な通用口がある)。
世界中から多くの人が訪れる金沢・北陸を代表する観光スポット。これまで何度か訪れていますが、2021年6月に約2年ぶりに再訪したのでその時の写真を更新。
兼六園は当初は「金沢城」の敷地内に作られた庭園であり、現在も金沢城公園とは石川橋を通じて繋がっています(その先にある金沢城跡の「石川門」も国の重要文化財となっています)。
江戸時代初期に加賀藩5代目藩主・前田綱紀により自らの別荘とその庭園「蓮池庭」が作庭されたのが兼六園のはじまり。江戸中期に一度焼失したものの、11代目藩主・前田治脩により再興、そして江戸時代の後期に入ってから12代目藩主・前田斉広の隠居所「竹沢御殿」が造営された際に『兼六園』と命名。
その後、13代目藩主・前田斉泰により現在のメインの池泉である「霞ヶ池」が拡張され、現在の庭園に近い形となりました。
明治の廃藩置県後に一般公開を開始し今日に至ります。霞ヶ池のほとりにある「徽軫灯籠」(ことじとうろう)が代表的な写真スポットとなっていますが、広大な庭園には様々な見どころが――霞ヶ池にせり出している「内橋亭」や藩政期に造営されたという茶室を再現した「時雨亭」などの多くの和風建築も見応えあり――…って紹介し始めるとキリがないけど…。
中でも、もう一つの大きな池泉庭園“瓢池”(ひさごいけ)にある茶室“夕顔亭”(28~29枚目)。1774年(安永3年)に建てられた園内で最も古い数寄屋建築の露地庭には、金工・後藤程乗が手掛けた手水鉢も。
後藤程乗は室町時代~江戸時代に掛けて幕府の御用達を務めた彫金師・後藤四郎兵衛家の九代目で、その祖先・後藤祐乗は加賀・小松に前田家三代目・前田利常が造営した『那谷寺書院』の造営に携わっている。前田家と後藤家も代々縁があった。
個人的には主池である霞ヶ池も、灯籠の逆側から卯辰山を背景として眺め見るが好きで――高台にある兼六園の景観美をより感じられる場所。また「雁行橋」付近の曲水や、庭園の南東部にある「山崎山」も苔がきれいな池泉を見下ろすことができる良い感じのスポットです。
隣接する「成巽閣」も当初は斉泰の母方の隠居所として作られたもの。そして金沢城公園には近年復元された池泉回遊式庭園『玉泉院丸庭園』、そして近隣には石川県の名勝となっている『西田家庭園 玉泉園』なども。市街地の集中したエリアにこれだけ多くの庭園が残っている金沢はやはりスゴい。
また東京などにも前田家ゆかりの庭園は残っているので、旅先の「兼六園」に感動して掘り下げたくなった人はそちらもチェックしてみて!
(2011年3月、2017年5月、2019年3月、2021年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR北陸新幹線 金沢駅より徒歩約30分(市内各所にレンタサイクルあり)
金沢駅より路線バス「兼六園下・金沢城」バス停下車徒歩2分
※最も人通りの多い「桂坂料金所」が混雑している場合は別の入場門「蓮池門」「桜ヶ岡口」へ回ると意外と空いていることも。
〒920-0936 石川県金沢市兼六町1 MAP