桂宮邸跡庭園

Katsuranomiya Garden, Kyoto

京都御苑の最北に位置する庭園が2022年に一般公開開始!“桂離宮”を造営した“四親王家”の皇族・桂宮家の本邸に江戸時代末期に作庭された庭園の遺構。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

桂宮邸跡庭園について

「桂宮邸跡」(かつらのみやていあと)はかつての四親王家(世襲親王家)の一つ・桂宮家の本邸の跡。『京都御苑』の最北部で、『京都御所』のすぐ北、五摂家の邸宅跡で枝垂れ桜が有名な『近衛邸跡』のすぐ東に位置します。

長らく閉ざされていましたが、2022年5月より一般公開が開始!ただ入場口が少しわかりづらいかも…近衛邸跡寄りにかつての桂宮邸の立派な門(表門/勅使門)が残り、桂宮邸跡の解説のQRコードなんかも設置されているのですが、入場口はここではなく敷地の南側の林の中にあります。

桃山時代に八条宮智仁親王を初代として成立し、“四親王家”と呼ばれた宮家のうち伏見宮に次いで2番目に古い桂宮家。八条宮智仁親王と言えば『桂離宮』の造営者としても有名。

2022年から公開がはじまった本邸の跡にも庭園の遺構が残ります。幕末の1854年(嘉永7年)に京都御所が火災にあった際に桂宮邸が孝明天皇の仮皇居となり、現在残る庭園はその際に作庭された池泉鑑賞式庭園。その格式の通りかなり大規模かつ特徴的な庭石がふんだんに使われた池庭!

現在は水は張られておらず、傾いている石橋/崩れているように見える石組など万全の状態ではないかもしれないけど…ある意味“しばらく放置されていたリアルな古庭園の遺構”を見られる。

なお建築の遺構としては先述の表門/勅使門(と敷地を囲む築地塀)だけで、現地ではかつての御殿の場所を示すプレートがあるのみですが、御殿は世界遺産『二条城』に移築され保存されています(近い所では相国寺塔頭寺院の『慈照院』にも。通常非公開の寺院ですがいつか見る機会があればいいなぁ)。
おそらく今後少しずつ良くなっていく庭園。一度だけでなく変化の様子もチェックしてみて。

(2022年10月・11月、2023年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 今出川駅より徒歩5分
京阪電車・叡山電鉄 出町柳駅より徒歩10分強
最寄りバス停は「同志社前」バス停 徒歩3分

〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
PICK UP / COLUMN
最新の庭園情報は約10万人がフォローする
【おにわさん】のSNSから。