かつて柏レイソルの試合も開催されていた“柏の葉”に平成年代に作庭の日本庭園“牧が原園”と、数寄屋建築の巨匠の門下によるモダンな数寄屋建築“松柏亭”。
柏の葉公園 日本庭園“牧が原園”/茶室“松柏亭”について
「柏の葉公園」(かしわのはこうえん)は千葉県柏市の北西部にある千葉県立の都市公園。園内に池泉回遊式の日本庭園“牧が原園”と茶室“松柏亭”があり、茶室では呈茶(お抹茶とお菓子のセットなど)も営業しています。
Jリーグ・柏レイソルのホームタウンとして知られる千葉県柏市。1985年(昭和60年)に開園したこの都市公園の中にある「柏の葉公園総合競技場」は一時期までレイソルのホームスタジアムとしても用いられました。総面積450,000平方メートルと広大な園内には日本庭園とは別に大きな池やバラ園、ロックガーデン、約400本の桜が植わる「桜の広場」や野球場などがあります。
公園の開園から数年後、平成時代初めに開園したのが日本庭園と茶室・松柏亭。茶室の設計は、数寄屋建築の巨匠・吉田五十八に師事した野村加根夫さん、施工は創業100年以上の歴史をほこる東日本の数寄屋造建築の第一人者・水澤工務店。
これは同じ千葉県立の都市公園にある日本庭園『見浜園』の茶室『松籟亭』と同じラインナップ(なお、柏の葉公園整備事業設計も見浜園と同じライフ計画事務所によるもの)。
同じラインナップだから同じようなもの…かと言うと全くそんな訳はなく、(松籟亭も所々モダンな点はあったけれど)よりモダンな雰囲気を醸すのが松柏亭。牧が原園の正門から尖ってる(形の事じゃなく斬新という意味)し、池泉庭園越しに見る松柏亭の歪曲した屋根の姿、玄関の玄関のアルミ?素材の欄間、寄付のガラス?の一枚板…など、平成という現代の茶室へ挑んだ感がヒシヒシと伝わります。村野藤吾の和風作品好きな人なら絶対好きなはず…。
呈茶は立礼席でいただく形で、こちらも伝統的なガラス戸ではなく透過性の高く大きなガラスで庭園との一体感と明るさを演出。
呈茶では入れない、市民向けに貸し出されている広間も天井や照明はモダン!一方で、小間や内露地は伝統的な雰囲気を醸します。
日本庭園はオーソドックスな池泉回遊式庭園ですが、その池泉へと注がれる水も茶室の前の曲水や滝口から流れ落ちてくる、立体的な構造になっています。その流れも“伝統を再現した”物というよりは新しい/モダンなデザインを試みている感じ。
日本庭園に隣接するバラ園では80種・約1700株のバラが春と秋には見頃を迎えます。四季の花咲く都市公園・日本庭園、ぜひ足を延ばしてみて。
(2005年5月、2024年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
つくばエクスプレス(TX) 柏の葉キャンパス駅より徒歩20分強
JR常磐線 柏駅より路線バス「柏の葉公園住宅前」バス停下車 徒歩8分
〒277-0882 千葉県柏市柏の葉4丁目1-11 MAP