池田城跡公園

Ikeda Castle ruins Garden, Ikeda, Osaka

室町幕府管領・細川晴元や細川高国も攻め入った池田城跡に中根庭園研究所が作庭した池泉回遊式庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

池田城跡公園について

「池田城跡公園」(いけだしろあとこうえん)は室町時代~戦国時代に北摂の池田氏・豊中市・箕面市周辺を支配してい豪族(国人)・池田氏により築城された「池田城」の跡に現代に整備された公園。2000年(平成12年)にオープン。庭園の作庭は中根金作さんの設立した中根庭園研究所によるもの。

2019年12月に初めて大阪府池田市へ。阪急の創業者の邸宅『雅俗山荘』をべた褒めしましたが、池田の街を初めて訪れた目的はこちらでした。元々は池田城跡公園のインスタをフォローしてて「いつか立ち寄りたいな」と思ってて、実際訪れてみると写真で見ていた印象より立派な日本庭園で、茶室もあり、周囲の山々の借景も素晴らしく。なんて会社が施工されたのかな~と思って調べていたら…中根庭園研究所だった!
設計・施工をされた年代は中根金作さんが亡くなられた後になるので、個人名にすると中根史郎さん作庭、ということになるのかな。

池田城は天然の要害と言えそうな高台の上に築かれた中世の城郭。室町時代、守護として摂津国を支配していたのは幕府の管領・細川勝元。当時池田充政は細川氏に仕えていましたが、応仁の乱が起こった際に対立していた山名軍に攻められ、池田城は落城。
その後も細川家の内紛で細川高国細川晴元により攻められ一時的に細川家が入城したり池田氏が取り戻したりしながら、最終的には織田信長に攻め入られ降参。その後池田城に入った荒木村重が伊丹の有岡城に居城を移したため、池田城は廃城になりました。

そんな歴史があるので、3枚目の“枯山水庭園”だけは新たに作庭されたものではなく発掘調査を元に復原されたもの。細川氏と言ったら庭園。同じ北摂(といってもちょっと離れているけど)の高槻市で細川晴元が居城とした『普門寺』に国指定名勝の枯山水庭園があるし、細川高国も滋賀の『旧秀隣寺庭園』を作庭させたりしている。関連があったら面白いなあ。

平成年代に完成した池泉回遊式庭園は天守閣風のやぐらの姿が一番の特徴。庭園からでも展望台からも周囲の五月山の借景が美しい。現在は水が流れていない“流れ”の奥の3段の滝にかかる石橋の青石もすごく立派。
そして園内奥には“冠桂”(桂冠?)の扁額のかかる立派なお茶室があります。これも設計者とか気になる…。また季節を変えて『雅俗山荘』とともに訪れたい!

(2019年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

阪急宝塚本線 池田駅より徒歩13分
石橋阪大前駅・池田駅より路線バス「五月山公園・大広寺」バス停下車 徒歩6分

〒563-0052 大阪府池田市城山町3-46 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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