若かりしイブラヒモビッチも眺めたかもしれない…?国指定名勝“高千穂峡”など宮崎県の景勝地を集めて縮景とした広大な日本庭園。
日向景修園(宮崎県総合運動公園 日本庭園)について
「日向景修園」(ひゅうがけいしゅうえん)は宮崎県立の『ひなた宮崎県総合運動公園』内にある日本庭園。1976年度より5年の歳月をかけ作庭され、1981年(昭和56年)に開園した20,000平方メートルと広大な池泉回遊式庭園です。2022年1月に初めて訪れました!
プロ野球では巨人こと読売ジャイアンツ、サッカー・Jリーグでは鹿島アントラーズといった名門チームが毎年キャンプ地としていることでも知られる?宮崎県総合運動公園。2002年の日韓ワールドカップの際にはスウェーデン代表のキャンプ地となり、若かりしズラタン・イブラヒモビッチ選手も宮崎のこの運動公園を訪れました。
その歴史は1963年(昭和38年)に宮崎県の80周年記念事業の一つとして計画され、その8年後の1971年(昭和46年)に最初の施設となる野球場が完成。
現在では日向灘に面した南北2km、東西約600m、合計137.8ヘクタール=東京ドーム約30個分という広大な敷地内に陸上競技場、サンマリンスタジアム宮崎、サッカー場、ラグビー畳、テニスコート、自転車競技場…などなど19のスポーツ施設が揃います。
また“森の中に競技施設をつくる”のコンセプトの下、137.8haのうち58.1haは松林でもあり、園内には約500種・42万本の樹木が植栽され、植物公園としての機能を持たせた宮崎県を代表するランドスケープでもある。(宮崎にはシーガイアとか他にも立派なのたくさんあるけど。)
そんな公園の中心やや南にある日本庭園“日向景修園”。国指定名勝『高千穂峡』の“真名井の滝”など、宮崎県の景勝地を縮景として集め表現した庭園で、庭園名もそのコンセプトから名付けられています。
計2万平方メートルのうち、13,000平方メートルを占めるのが池泉回遊式庭園。パッと見はオーソドックスな池の広い庭園…って感じだけれど、園内北部にある東屋から2004年に完成した「木の花ドーム」を借景として眺めると、その中間点に特異な巨大な立石組がある…。
その方角へ進むと前述の“真名井の滝”の豪快な石組と滝の流れがあります(自分以外誰も居ない庭園にはもったいない滝の勢い…冬だから仕方ない…)。
その園路を進んだ先、さっきの巨大な立石組は日南海岸の景勝地“七ツ八重”の奇岩を表現した石組なのだそう(これは元ネタを知らない…)。その先にも庭石が配されたゆるい築山があったり、対岸の中の島にも岩山や海岸線をイメージしたかのような?変わった石組があるのだけど、これらも宮崎県内のどこかを表現したものなのかな…。
園内の東部、松林側には茶室や菖蒲園があり、初夏には約8,000株の花菖蒲が花を咲かせ見頃を迎えます。
今回ちょっと驚いたのが、この菖蒲園の外側に電気柵が張り巡らされていたこと。なんでも近年はイノシシが出没するのだろうで…島や山間部は近年イノシシに困ってるイメージがあるけど、こんな平地にもイノシシが出るのか…。
「日向景修園」としてはこの回遊式庭園で終わりではなく、高木を挟んで西側の築山に組まれた“賽の河原”や“風土記の丘”もその一部。“賽の河原”もえびの高原にある宮崎県の景勝地のひとつ。
そして“風土記の丘”は国の特別史跡『西都原古墳群』のうち、代表的な古墳“前方後円墳”“円墳”“鬼の窟”をそれぞれ1/3スケールで模したもの。
今回訪れた時のもう一つ印象的だったのは、園内中央部に巨大な「盛土高台」が造成されていたこと。今後もし南海トラフ地震がもし発生した場合の津波に備えた避難施設なのだけど、元の公園のコンセプトも考慮して綺麗に芝生で緑化されていた(*訪れた時は冬芝だったけど)。機能性を保ちつつ、仰々しさを和らげ、安心を与えるのも植栽の役割か。
(2022年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR日南線 運動公園駅より徒歩10分
宮崎空港・JR南宮崎駅・JR宮崎駅より路線バス「運動公園前」バス停下車 徒歩10分
〒889-2151 宮崎県宮崎市熊野1443−12 MAP