“ラグビーの聖地”花園ラグビー場やJFL・FC大阪のホームグラウンドから最も近い庭園は、雄大な生駒山地の借景が見所。
東大阪市民美術センター庭園について
「東大阪市民美術センター」(ひがしおおさかしみんびじゅつせんたー)は“ラグビーの聖地”花園ラグビー場が所在する東大阪市の都市公園『花園中央公園』の一角にある美術施設で、小規模ながら日本庭園と茶室“舞風亭”があります。
2021年9月、サッカーJFL・FC大阪の試合を見る為に初めて聖地・花園へ(と言ってもラグビー場ではなく別のグラウンドでの開催)。その際に立ち寄りました。
花園ラグビー場のすぐ南側に位置する東大阪市民美術センター。1997年(平成9年)に開館し、主には市民や近隣の方々の絵画・書道などの展覧会が行われている他、企画展やイベント、カルチャー講座やワークショップも。今回訪れた時には現代の映像作家・水野勝規さんによる企画展『SCENERY』展が開催中だった(この企画展の協力に名があるのが、ARTCOURT Gallery。藤井厚二+小川治兵衛の『旧小川家北白川別邸』で紹介したギャラリーです。)
施設の1階フロアには池泉回遊式庭園と茶室があります。広い庭園ではないけれど、東側の生駒山地の借景が奥行きを演出して開放的で、庭園に面した“特別室”も庭園への眺望を意識して?窓が大きく取られているので割と広く感じる。
そして市民にとって身近であるべき庭園らしく、池泉庭園~枯山水庭園~茶室の露地庭と日本庭園の要素がギュッと凝縮されています。
当時の市長による揮毫の扁額が掲げられた茶室“舞風亭”、今回は『SCENERY』展の作品展示で中を見ることができたけど、新年には初釜茶会が行われるなど、東大阪市の茶道の拠点として用いられているそう。(でも“茶道”というものが遠い存在に感じる中、このようなアートの展示会場として利用されるというのは今後も増えるのかもなぁ)
このセンターや花園ラグビー場を含む都市公園『花園中央公園』。もしかしたら“ランドスケープ”的にはこちらの方が重要かもしれない。
1937年(昭和12年)に完成した大阪外国語大学の“花園運動場”をルーツに持つこの公園、広さが36ヘクタール=東京ドーム7個分!ラグビー場や美術センターは公園西部の1/3ぐらいの面積で、その東側には芝生広場、桜の広場、花菖蒲園、プラネタリウム等々があります。次回は花木の見頃の季節に訪れたい…!
かつては近鉄バファローズのホームスタジアムが計画されたこの公園、現在はJリーグ入りを目指すFC大阪を中心とするグループが指定管理者として公園全体を管理・運営。Jリーグでもモンテディオ山形が山形県内の公園の指定管理者となっている事例がある。サッカークラブ×ランドスケープの活用事例は盛り上がってくれたら嬉しいな。
(2021年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)