昌利山 護念寺庭園

昌利山護念寺について

「昌利山護念寺」（ごねんじ）は朝来市和田山の高台にある寺院で、本堂の裏にある江戸時代後期に造られた池泉鑑賞式庭園が兵庫県指定名勝。

庭園の紹介と全くずれるのですが、これが節目の1000件目の庭園記事！
…と言っても1000箇所踏破したのは4ヶ月も前のGW期間中だし、GWに見た庭園もまだまだ紹介し切れてないし、それ以降ですでに100箇所以上回っているので実感もクソも無いのですが…。
まあでもいちおう、1,000件目にこの庭園を選んだのには理由がありまして。「知らんがな」な理由なのですが――この庭園自体を知ったのは兵庫県指定文化財の中に「護念寺庭園」の名前があったからなのですが、実は“昌利山”という山号が気になった。

自分の名前は“昌利”と言うのですが、名前のルーツや理由をよく知らない（覚えていない）。有名人で言うと、ザ・クロマニヨンズ（元THE BLUE HEARTS、ハイロウズ）のマーシーこと真島昌利さんと字も読みも同じなのですが、そこから来ているわけではなく。
父親が知り合いのお坊さんにつけてもらった――と聞いたことがあるような…という記憶だけぼんやりあるのですが、今回この“昌利山”という山号を見て、仏教由来の言葉なのかな？と思い出した。…んだけど他に同じ山号のお寺が存在しているわけもなさそうだし、“昌利”というワードで色々調べてもひたすら人の名前が出てくるだけ。マーシー以前にも“昌利”という名の著名人も多少居るようなのでどこかにルーツはあると思うんだけどな。気になる…。

…って感じで本筋と関係ない文章を沢山書いてしまったけどそろそろ庭園について。実はこの庭園の情報は全然無い！（文化財を紹介する看板も無かった。）なので西桂先生の『ひょうごの庭園〜図絵で読み解く〜』の解説を参考にしながら、写し過ぎないように簡潔に紹介…。

昌利山護念寺の創建は江戸時代の天正年間（1573〜1592年）。庭園の作庭は滋賀県指定名勝の『極楽寺庭園』なども手掛けている岩崎清光によるものと伝わります。
岩崎清光は滋賀の湖北出身で、江戸で修行した後に近江や但馬地方で活躍した庭師だそう。この庭園が氏の作品という情報は但馬には近江の極楽寺の方に残っていたそうで、但馬ではこの庭園の他、豊岡市の県名勝『観正寺庭園』も岩崎清光の作庭とされます。ちなみに先述の本では護念寺庭園は非公開となっていますが、境内に庭園は裏手にあるから進んで〜という案内がありました。（でも事前連絡すれば山号に抱いている疑問点も聞けたかもな…惜しい…）

その池泉鑑賞式庭園の特徴は急斜面に対して多くの石が積まれた石組。上段と中段の自然石の灯籠、中段の灯籠の隣に見える石橋など――この立体的な見せ方が岩崎清光庭園に見られる特徴だそう。他の庭園も見てみたいなあ…同じく和田山の『古茂池庵』という寺院？草庵？にも氏の庭園があったそうですが、本には崩壊寸前…と書かれていて地図で見ていても検索しても全然情報がない。古茂池という住所・バス停があるからその辺なんだろうけど。
今回訪れた時期には庭園上部のサルスベリの花がちょうど舞っていて、石組のシンプルな色にとってのアクセントとしてもきれいだった！

最後に和田山について。和田山駅はこれまで播但線との乗換でこれまでも何度か訪れていたけど、あまり観光で見るべき場所は少ないのかな…？と思っていました。今回護念寺へ行くにあたって駅から少し離れてわかったのは、本来の（かつての）中心商店街は駅から少し離れたところ（南東）にあるみたいだということ。『竹田城』の方角と言った方が伝わりやすいか。
駅と護念寺の中間あたりにある上垣医院さんのレトロな洋館も立派でかなり気になった。今回は暑すぎて街歩きする気力が沸かなかったけど（2枚目の階段の写真がとてもぼやけているのは、ポケットに入れていたスマホのカメラが汗で湿ってたゆえ…）、次回訪れる時はもっと街歩きもしてみたい！朝来市も竹田エリアの散策マップだけじゃなく和田山の散策マップも置いて欲しいな〜。

（2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。）