東海道五十三次で現存する2つの本陣のうち1つ。江戸時代中期/後期の旅籠建築と複数の枯山水庭園・坪庭も。豊橋市指定文化財。
豊橋市二川宿本陣資料館について
「豊橋市二川宿本陣資料館」(とよはししふたがわしゅくほんじんしりょうかん)は東海道五十三次33番目の宿場町“二川宿”の本陣を保存・活用した資料館(博物館)。江戸時代、東海道の宿場町に置かれた本陣のうち現代まで残る2つの本陣建築のうち1つで、豊橋市指定史跡(文化財)となっています。
東海道本線で愛知県の最も東の駅“二川”。かつては東海道の宿場町が置かれた街で、駅から徒歩10分ほど歩くと(古い町並みと言うほどではないかもしれないけど)面影を感じさせる町並みが残ります。そんな二川宿の中心がこの二川宿本陣資料館。
江戸時代、参勤交代する大名や京の都の要人が旅をする際の宿泊所だった“本陣”。東海道にも数多くあった本陣ですが、往時の建築が残されているのはこちらと滋賀県の『草津宿本陣』の2箇所のみ。
二川家の本陣として残るのは江戸時代後期の1807年(文化4年)〜明治維新後の1870年(明治3年)まで本陣職をつとめた馬場家のお屋敷。現存する建造物のうち、主屋の一部は江戸時代中期・1753年の大火後に再建されたもの、最も古い東土蔵は1718年(享保3年)の建築で、本陣になる以前から残るものも。
昭和の後期、1985年(昭和60年)にお屋敷と土地が豊橋市に寄贈。3年間の復原改修工事と資料館が新築され、1991年(平成3年)に開館し一般公開を開始。資料館では東海道や二川宿に関する各種資料やパネルが展示されています(企画展も)。
また2005年には隣接する江戸時代の旅籠『清明屋』も市に寄贈され、二川宿本陣資料館の一部に加わりました。
主屋・玄関棟・書院棟がら構成される二川宿本陣。庭園もいくつかあり、主庭園は書院棟のお殿様のための上段の間から眺められる枯山水庭園。
雰囲気的にも新しいけれど、書院棟は明治時代には取り壊されていて平成年代の開館時に再建されたもので庭園もあわせて作庭されたもの。白砂の中に飛び石や庭石、松や竹が植栽された京風の庭園。
その他にも書院棟・玄関棟には坪庭が、主屋の書院造の奥座敷の前にも白砂と飛び石による枯山水庭園があり、この庭園を眺めながらお茶をいただくこともできます。
本陣と隣接する旅籠屋「清明屋」も江戸時代後期から残り、その立地から大名とともに行動した上級武士や家老の宿泊所として利用されていたとか。
「二川宿本陣資料館」の関連施設としては本陣・清明屋に加えて徒歩3分ほど離れた場所にある商家「駒屋」の3軒が見学できます。あわせてチェック!
(2022年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)