商家駒屋

Shoka Komaya, Toyohashi, Aichi

東海道五十三次・二川宿に残る江戸時代/明治時代/大正時代と時代を重ねた商家建築。売茶流煎茶道の茶室や庭園も。豊橋市指定有形文化財。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

商家駒屋について

「商家駒屋」(しょうかこまや)は東海道五十三次33番目の宿場町“二川宿”に江戸時代より残る商家建築を保存・活用した文化施設。『二川宿本陣資料館』の関連施設で、江戸時代〜明治大正期に建てられた8棟の建造物が豊橋市有形文化財。

東海道本線で愛知県の最も東の駅“二川”。かつては東海道の宿場町が置かれた街で、駅から徒歩10分ほど歩くと(古い町並みと言うほどではないかもしれないけど)面影を感じさせる町並みが残ります。
東海道57次に数多くあった“本陣”(大名や京の都の要人が旅をする際の宿泊所)のうち、往時の建築が残されているのは二川宿と滋賀県の『草津宿本陣』の2箇所のみ。そんな二川宿本陣と合わせて見学できる古民家がこの商家駒屋。

この商家駒屋は二川宿で米穀商・質屋を営みながら、宿役人・村役人・名主など地域の要職をつとめた「田村家」の旧宅。田村家は元は遠江国(現在の湖西市)の出身で、江戸時代の元禄年代に二川宿に移り住みました。
この最も古いもので江戸時代中期の土蔵、最も新しいもので大正時代の離れ座敷…と江戸〜近代の建築が8棟残ります(主屋/離れ座敷・渡り廊下/茶室/脇門/南土蔵/中土蔵/北土蔵/北倉)。

2002年に田村家より豊橋市に建物が寄附され、その後は改修・復元を経て2015年より地域の交流・活動の場として一般公開開始。主要な建造物は無料で見学できる一方で、地域の記念撮影スポットや蔵を活用した『蔵カフェこまや』が運営されています。

庭園は主屋・離れの間にある坪庭、茶室の前にある露地庭、そして蔵カフェこまやの前にある空間と3箇所(広場といった感じだけどパンフレットには「庭園」とあります)。いずれも2015年の開館にあわせて現代に作庭し直されたものだと思うけれど、今後少しずつ歴史的な建築に馴染んでいくはず…!
茶室は1884年(明治17年)、売茶流煎茶道を学んだ田村家九代目・田村善蔵(苗政)により建てられたもの。

ちなみに二川宿の同じ街道沿いにはもう一つ『駒屋』があります。二川宿本陣資料館の斜向かいにある『西駒屋』は田村家の分家で、こちらも明治時代の建築が国登録有形文化財(非公開)。ぜひ二川の町並みに訪れてみて。

(2023年月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道本線 二川駅より徒歩17分

〒441-3155 愛知県豊橋市二川町新橋町21 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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