
野口英世青春通りに佇む近代和風建築…会津の豪商・福西家が明治/大正/昭和時代にかけ建立した国登録有形文化財のお屋敷は近代日本庭園も見所。
福西本店庭園について
「福西本店」(ふくにしほんてん)は福島県会津若松市の中心部「野口英世青春通り」にある国登録有形文化財の商家建築。明治〜大正〜昭和時代初期に建てられた7棟が国登録有形文化財の近代和風建築で、敷地奥の主屋・座敷蔵から眺められる日本庭園があります。
JR会津若松駅から『鶴ヶ城』こと会津若松城へ向かう途中にある「福西本店」。レトロな町並みとして知られる「七日町通り」と交わる一角に位置し、野口英世が青春時代を過ごしたことにちなむ「野口英世青春通り」に面しているひときわ存在感のある商家(『会津野口英世青春館』が隣接)。お食事処も営業されていますが、建築・庭園のみの見学もできます。
その歴史について。元々は奈良『法隆寺』の付近がルーツという福西家。江戸時代中期の享保年間に奈良から会津へ移住し、酒造業や醸造業などで当地の豪商へと成長。明治維新以降はその財力を会津の近代化にも注ぎ、鉄道開通や発電、銀行経営などに尽力。数多くのレトロ建築の立ち並ぶ会津若松市の中でも「歴史的景観指定建造物」の第一号になっている点からも街への貢献の大きさがうかがえます。
お屋敷について。現在残る建築は福西家の八代〜十代の三代にかけ、それぞれ明治時代(座敷蔵、主屋蔵、袖蔵)、大正時代(主屋、店蔵、煉瓦塀)、昭和時代初期(離座敷)に建てられたもの。「店蔵」「主屋蔵」などの名の通り、漆喰塗りの蔵造りが外観の特徴。時代で言えば野口英世が過ごしてた時代もすでにお屋敷の一部は存在。
ただ…通りから眺める店蔵の印象に比べると、かなり奥行きがありスケールの大きな建築であることが見学するとわかります!玄関を上がってすぐの廊下の広さ、シャンデリアや煉瓦造りの塀といった「大正ロマン」が感じられる洋の空間、そして敷地奥に広がる大きな庭園。昭和の離座敷は施主と大工のこだわりが詰まった数寄屋空間…。それぞれの部屋の美術品もすごく、…あまり名は存じていなかったけれど近代に福島で活躍した画家が福西家に残した作品が多数残されています。
そんな素晴らしい建築に欠かせないのが良いお庭…!敷地の奥、座敷蔵・母屋蔵・離座敷から眺められる庭園があります。心字池を中心にした、オーソドックスな回遊式庭園(※見学時は建物からの鑑賞のみ/現在は枯池式ですが元々は池泉式だったのかも)ですが、少し変わったタイプの灯籠や、関東や京都ではあまり見ない奇石などを小気味よく組み合わせている点から施主の美術・骨董品の趣味が感じられます。
印象として似ているなぁと思ったのが、喜多方の『甲斐本家』(福島県指定名勝)。庭園もだけど、蔵造り・煉瓦積み等の建築も似てる…その甲斐家の庭園は、東京の『渋沢庭園』や新潟の国指定文化財庭園『旧齋藤家別邸』を手がけた庭師・松本亀吉の作庭と伝わります。この福西本店の庭園は作庭者は伝わっていないものの、お家柄として喜多方の甲斐家とは婚姻関係にもあったそう。だとするとそんな地域の名家同士の繋がりから同じ庭師が関わっていたとしても不思議ではない…。
館内では、皇室(有栖川宮親王)の別邸『天鏡閣』から下賜されたインテリアなども展示されています。レトロ建築好き、庭園ファンはぜひ訪れてみて。
(2026年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR磐越西線 会津若松駅より徒歩20分弱(駅前にシェアサイクルあり)
JR只見線 七日町駅より徒歩15分
JR会津若松駅より路線バス「神明通り」「大町二之町」「七日町白木屋前」バス停下車 徒歩3分
〒965-0878 福島県会津若松市中町4-16 MAP
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