その名の通りのドウダンツツジ/紅葉の名所の名古屋近郊の穴場庭園!飛騨の古民家を移築し、山荘風にリノベーションした近代和風建築は国登録有形文化財。
どうだん亭庭園について
【通常非公開/春と秋に特別公開期間あり】
「どうだん亭」(満天星亭)は愛知県名古屋市の東部に位置する尾張旭市の教育文化施設。昭和初期に造営された名古屋の貿易商・浅井竹五郎の邸宅『玄々荘』をルーツとする近代和風建築で「どうだん亭(旧浅井家住宅離れ)」として国登録有形文化財。その名の通り、ドウダンツツジの名所の庭園があります。
通常非公開ですが、例年ドウダンツツジの花が咲く春(4月中旬)と紅葉の秋(11月中下旬)、ひな祭りの時期に特別公開があります。2022年4月の特別公開で初めて訪れました。
名古屋と日本六古窯“瀬戸焼”の産地として有名な瀬戸の間にある尾張旭市。どうだん亭の前身『玄々荘』を構えた浅井竹五郎は名古屋を拠点に陶磁器輸出業で成功を収めた実業家であり、昭和の有名陶芸家・加藤唐九郎らを支援した数寄者でもありました。
『玄々荘』の造営がはじまったのは戦前の1940年(昭和15年)ですが、現在どうだん亭として限定公開される「旧浅井家住宅離れ」は元は江戸時代中期の1723年(享保8年)に飛騨地方に建築された合掌造民家で急勾配な屋根や梁にその面影を残します。それを移築し“山荘風”に改築したのが現在の姿。(山荘風の近代和風建築が好きな方にぜひ見て欲しい!)
客間・炉の切ってある茶の間から正面に庭園が広がります。この庭園は浅井家の次の所有者・大岩憲正氏の代に新たに作庭されたもの(1967年/昭和42年)。謡曲「紅葉狩」をモチーフにデザインされたこの庭園、奥のサツキの築山は“亀”を、枯流れと飛び石は“鶴”を表しているそう。
…ちょっと苔の状態が良くなかったのは近年の猛暑の影響もあるかな。それでもこれだけ新緑が美しければ紅葉は間違いなくきれい、そして石畳から始まる近代和風建築の空間が素晴らしい!東海地方の方はぜひ特別公開に訪れてみて。
(2022年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)