竹林院庭園

Chikurinin Temple Garden, Tokushima

戦国武将・浅井長政のひ孫と伝わる禅僧・鉄崖禅師が弟子に作庭させた庭園。庭園内の十三層塔は源義経が愛した静御前ゆかりの石塔。徳島県指定文化財。

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竹林院庭園について

「仏日山 竹林院」(ちくりんいん)は徳島市のシンボル的な山「眉山」の山麓にある寺院。江戸時代初期/中期に作庭された築山泉水式庭園が残り、庭園が徳島市指定文化財(徳島市指定名勝)、庭園内にある静御前ゆかりの十三層塔が徳島県指定有形文化財となっています。

徳島市内の人気観光スポットの一つ「眉山ロープウェイ」でもお馴染みの眉山(びざん)。その南麓に位置する竹林院は、中国・明時代の寺院様式を模した特徴的な山門(+本堂)が迎えてくれます。

その歴史について。江戸時代初期の1674年(延宝2年)、京都・萬福寺を本山とする禅宗・黄檗宗の鉄崖道空禅師により創建。寺号は「永明寺」。この鉄崖は戦国大名・浅井長政のひ孫とされ、鉄崖の幼少期に父・浅井為政が徳島藩主家老・稲田家を頼り阿波に移住(ちなみに稲田家ゆかりの庭園としては国指定文化財『旧益習館庭園』があります)。

武家ではなく僧となる道を選び、黄檗宗の僧になってからは明から来日した高僧・隠元、木庵にも師事。木庵の高弟十哲にも挙げられたそう。やがて徳島藩主・蜂須賀家から帰依されるようになり、4代藩主・蜂須賀綱通から密教寺院「竹林庵」の跡地を賜って建立されたのが竹林院。

現在の竹林院には往時の建物は残っていませんが、江戸時代から残るのが本堂の奥にある庭園。元は書院から眺める庭園として作庭された池泉鑑賞式庭園で、鉄崖が弟子・月津禅人と友人・松仙老士に造らせたものと伝わります。眉山の一部を借景としたスケールの大きなこの庭園は心字池も大きく、近い時代の 『旧徳島城表御殿庭園』と似た雰囲気を持ちます。

庭園中央にある徳島県指定有形文化財の十三層塔は庭園より古く鎌倉時代の作?と言われ、源義経の恋人として知られる静御前の母・磯野禅尼が静御前の供養のために建てたものと伝わります。庭園や歴史好きの方はぜひ訪れてみて。

(2023年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR徳島駅より路線バス「眉山登山口」バス停下車 徒歩10分
JR徳島駅より3.5km(市内にレンタサイクルあり)
JR牟岐線 二軒屋駅より徒歩20分

〒770-8072 徳島県徳島市八万町中津浦228 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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