『長楽館』を造営した近代の“たばこ王”村井吉兵衛の屋敷がそのルーツ。石原裕次郎も好んだ明治時代の庭園を鑑賞しながら一休みできるカフェ。
Cafe Kawataro/旧村井吉兵衛邸庭園について
「Cafe Kawataro」(カフェ・カワタロウ)は京都を代表する観光名所/エリアの一つ「ねねの道」界隈にあるカフェ。モダンな内装の店舗の奥には明治時代に作庭された近代日本庭園があり、歴史的な庭園を眺めながら喫茶ができます。ずっと気になっていたカフェ、2023年に初めて訪れました。
有名な“石塀小路”のもう一つ北側の路地にある「Cafe Kawataro」さん。2014年6月に開店しちょうど10周年を迎えたばかり。現在の店舗は白壁やインテリアがモダンでオシャレなカフェなのですが、その前身は一見さんお断りの料理旅館「川太郎」。芥川賞作家・火野葦平により命名され、かつて石原裕次郎、吉永小百合さん、高橋英樹さんら日活で活躍された俳優・女優に愛された料理旅館で、約50年の歴史を重ねました。
「川太郎」のさらに前身は近代に“たばこ王”と呼ばれ“村井財閥”を築いた実業家・村井吉兵衛のお屋敷。すぐ近隣の『円山公園』沿いにある『長楽館』の施主として有名な村井吉兵衛ですが、長楽館は村井家の別邸。1909年(明治42年)に造営された長楽館とほぼ同時期に、ねね様ゆかりの『圓徳院』の北側の隣接地に和のお屋敷も建築されていました。隣接する『祇園旅館 休兵衛』の門・塀・室内にその面影が残ります。(ちなみに、村井吉兵衛が東京に築いたお屋敷の和館を手がけたのは近代関西の代表的な建築家・武田五一)
その庭園は明治時代に村井吉兵衛邸に作庭された歴史的な庭園の一部。往時から縮小はされているものの石灯籠や苔むした石造物などは当時から残るものなのだとか。庭を横切る小川のほとりにある伽藍石や延段(石畳)からその時代性を感じつつ、全面パノラマに広くとられた窓からのぞく姿は決して“古く”はなく良い意味で“新しさ”も感じられる!奥にのぞく赤い鳥居もアイキャッチ的にも◎。作庭当初からあるという紅葉は新緑の時期も美しい!
ケーキやスイーツのメニューも豊富なKawataroさん。平日ならその空間を独り占めできる時間帯も。お近くを通りかかった際はぜひ立ち寄ってみて。
(2023年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪本線 祇園四条駅より徒歩10分
阪急京都線 京都河原町駅より徒歩14分
京都市営地下鉄東西線 東山駅より徒歩15分
最寄りバス停は「祇園」バス停 徒歩5分
〒605-0072 京都府京都市東山区鷲尾町505 MAP