盤泉荘(旧松井家住宅)庭園Bansenso Garden, Ozu, Ehime

“臥龍山荘”に訪れたらこの近代和風建築もマスト!“伊予の小京都”城下町大洲の新名所は急斜面の懸造&木造三階建。国登録有形文化財。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

盤泉荘(旧松井家住宅)庭園について

「盤泉荘」(ばんせんそう)は“伊予の小京都”・大洲の大河“肱川”を眼前にのぞむ高台にある、大正時代の木造三階建の近代和風建築。「旧松井家住宅」として主屋・石垣が国登録有形文化財&大洲市指定有形文化財。
・国重要文化財の数寄屋建築の名作『臥龍山荘』からは徒歩5分ほどで、共通入場券もあります。

2022年の年始、6年半ぶりに訪れた大洲。この高台のお屋敷は前回訪れた時にも観光マップには載っていて、外観だけ見に通り掛かったことをよく覚えている。そののち改修・耐震工事が行われ、2021年の春より一般公開が開始されました。

臥龍山荘の施主・河内寅次郎も大洲(の近隣地域)出身で、貿易商として成功を収めた人物でしたが、盤泉荘の施主・松井傳三郎、松井國五郎の兄弟も大洲〜日本からフィリピン・マニラに進出し、地元の百貨店および貿易会社「松井商会」「大阪バザー」「大阪貿易」を経営し成功を収めました。

この邸宅は松井兄弟の地元・大洲の別荘として明治時代より計画され、土地を購入した兄・松井傳三郎の没後に弟・松井國五郎がその遺志を引き継ぎ1926年(大正15年)に完成。“盤泉荘”の名は近代〜昭和の俳人・西本一都の歌にちなんだもの。

まずすごいのが外観のインパクト。急斜面にこれだけの石垣を組み上げたうえで、建物をキワまで使って建てている…しかも一部分は懸造りだったり、茶室の窓はちょっと空中にせり出している。こんなロケーションなので当然肱川や冨士山の眺めが存分に味わえる…(なお建築当時はもう少し近くまでが肱川で、今ほど住宅が増えたのは昭和以降)。

建築そのものは純和風なのですが、盤泉荘の特徴は松井家の商売に関連して東南アジアから輸入した木材(イピール)や家具を用いていること。また前庭にあるライオン像も制作は地元・大洲の“柳瀬焼”(新やなせ焼)だけれど、ライオンのモチーフは海外からの影響なのだとか。

庭園も前庭と中庭(主庭)と2箇所あります。いずれも銘石“伊予の青石”がふだんに使われ、山の急斜面を活かした回遊式庭園で、前庭は大きな一枚岩を踏み分け石として使っているのをはじめ、2、3の巨石が松井家の権力誇示を感じさせられる。

一方で主庭は座敷・客間・茶室と三方からの鑑賞性が重視された庭園で、山の斜面との間の限られたスペースの中でさほど大きくない石を数多く使って、園路〜池泉(枯池)〜滝石組〜山の上のほこら…と要素がギュッと凝縮された庭園。急斜面の上からの風景がまた絶景!

その他にも高台の別荘ならではの仕掛けが…。臥龍山荘とあわせて貴重な近代和風建築をぜひ味わいに大洲を訪れてみて!

(2022年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR予讃線 伊予大洲駅より徒歩25分(*駅前にレンタサイクルあり)
伊予大洲駅より路線バス「大洲本町」バス停下車 徒歩7分

〒795-0011 愛媛県大洲市柚木317 MAP