津山城から西へ約1km。江戸時代には大名庭園『衆楽園』に次ぐ美作の名園と言われた庭園。津山市指定名勝。
安国寺庭園“石林園”について
「安国寺」(あんこくじ)は津山城跡から西へ約1kmの場所にある寺院。本堂裏にある池泉回遊式庭園“石林園”は津山市指定重要文化財(名勝)。
2019年秋、約5年ぶりに津山の城下町を訪れました!前回はお城を挟んで逆側にある城東町並み保存地区と大名庭園『衆楽園』へ行ったのですが、後からこの庭園の存在を知り。今回初めて訪れました!受付等は無いので、拝観の際はお寺の方に一声声掛けをして拝観。
安国寺は江戸時代の初期、元禄年間までは「善福寺」という寺名だったそう。元禄年間に現在地に移転し、南北朝時代からの歴史を持つ古刹・美作国安国寺の寺名を継いで現在の寺名となりました。
では元の“安国寺”は廃寺になったのか…?と言うとそうではなく。南に徒歩10分程の場所にある、津山藩主・森家の菩提寺『本源寺』が元の“安国寺”。本源寺は伽藍のうちいくつかの建造物が国指定重要文化財――なんだけど見落としてた…。次回津山を訪れる際はそちらも足を運びたいというメモ。
本堂裏にある池泉回遊式庭園“石林園”はお寺が移転した頃、江戸時代初期に二世住職・列堂和尚により作庭されたと伝わります。江戸時代には美作地方では『衆楽園』に次ぐ名園として知られたそう。『本源寺』から近いことを考慮しても藩主との繋がりもあってもおかしくない気はしつつ。
斜面を活かした回遊式庭園になっていて高台からは周囲の山々の景色も楽しめますが、このお庭の特徴的な部分は本堂のすぐ裏、岩盤による亀島らしきものと滝石組。斜めに刺さっている石は…倒れているのかそのような造形なのかどちらなのだろう。ちょうど頭上の紅葉も赤く染まって美しかった!
また安国寺の梵鐘は岡山県指定重要文化財。室町時代に「寄松山多聞寺」の梵鐘として制作されたもので、多聞寺が焼かれて廃寺となった後、江戸時代に畑の土中から発見され善福寺(安国寺)に寄進されたそう。本堂の屋根の卍型の飾りも気になる。
津山市の観光サイトにも市の文化財ページにも掲載されていないのですが…昭和の中ごろ、城下町津山の中では早い段階で市の文化財となり現在も唯一の市指定名勝の立派な古庭園。お近くに訪れた際にはぜひ!
(2019年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR因美線・姫新線 津山駅より約2km(徒歩25分)※駅前観光案内所にレンタサイクルあり
津山駅より路線バス「小田中」バス停下車 徒歩5分(※本数少ないです。徒歩10分程の「裁判所前」バス停はもう少し本数あり)
〒708-0006 岡山県津山市小田中1203 MAP