瑞雲庵

Zuiunan Garden, Kyoto

国の重要伝統的建造物群保存地区、京都の世界遺産・上賀茂神社の門前町の街並み。現代アート作家の展示の場として活用の近代和風建築はお庭も美しい…

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

瑞雲庵について

「瑞雲庵」(ずいうんあん)は京都の世界遺産『上賀茂神社』の門前町で国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「京都市上賀茂」の社家町に残る、築100年以上のお屋敷を活用したアートギャラリー。通常非公開ですが、近年春と秋に展覧会が開催。その際に苔むした庭園も鑑賞できます。

2011年、これから芸術・文化を担う若手創造者(クリエイター)の育成を目的に設立された「西枝財団」。《現代美術・日本の伝統文化・工芸・デザインを広く一般に認知・周知する役割を担うキュレーターを支援する助成事業》により、2024年も4月〜5月26日(日)にかけて企画展「遍在、不死、メタモルフォーゼ」展が開催されています。

大久保美紀さん(情報科学芸術大学院大学准教授)のキュレーションの下、石橋友也、入江早耶、クワクボリョウタ、ジャン=ルイ・ボワシエ、フロリアン・ガデン、古市牧子といった国内外のアーティストの作品が展示。中でも…国内の有名美術館での展示も時折話題になるクワクボリョウタさん《LOST》シリーズが古民家の屋根裏のような2階で見られるのはすごい…!

「京都市上賀茂」の重伝建地区のメインストリートからは少し外れた場所に佇むこの古民家。元は両替商の邸宅だったそうで、築100年以上という木造2階建の近代和風建築をリノベーションした空間は広義の「京町家」ではないものの、かつてのトオリニワの姿を思わせる玄関や店の間、そして坪庭に茶室、奥庭…と建築様式は京町家を感じさせるもの。

一方で、坪庭を挟んだ茶室の向こう側に、壁を隔てずに開放的に主庭を眺められるのはこの邸宅ならでは!建築と歴史を同じくする庭園の奥には樹齢100年超のマツが鎮座し、建物の手前からは美しい苔が広がり、中央に白川砂が敷かれた枯流が配された露地風の庭園。
ただ古いだけでなく、ある種現代らしい/モダンな植栽…苔むした手水鉢はビオトープに、庭園奥の植栽もまさに「山の景」のような自然風に育まれている。(木からぶら下がる苔玉もかわいい!)

アートとしての空間だけでなく所有者の「お庭」への愛情もとても感じられる空間。そんな人の思いが100年以上積み重なった、歴史ある空間と《未来ある若手創造者の個性のぶつかりあいの中から新しいエネルギー/新たな美のかたちや価値観を創造…》と期待されているこのアートスペース。アート作品目的で訪れた方も、ぜひそのお庭を愛でてみて。

(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 北山駅より徒歩20分弱
地下鉄北大路駅・北大路バスターミナルより路線バス「上賀茂御薗橋徒歩」「御薗口町」バス停下車 徒歩10分

〒603-8074 京都府京都市北区上賀茂南大路町62-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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