国宝“石清水八幡宮”の麓の紅葉の名所、三代目将軍・足利義満の母・紀良子ゆかりの通称“もみじ寺”。京都府指定文化財の伽藍も。
善法律寺庭園について
【堂内・庭園は通常非公開/不定期で特別公開あり】
「善法律寺」(ぜんぽうりつじ)は“日本三大八幡”の一つに挙げられる国宝『石清水八幡宮』が鎮座する男山の麓にある寺院。本堂・表門が京都府指定文化財で、八幡市の紅葉の名所として“もみじ寺”とも呼ばれます。
境内は散策自由ですが、お堂や庭園は通常非公開。不定期で特別公開があり、2022年は5月21・22日に本堂の特別公開が――時間のタイミングが合わず自分は拝観できなかったのだけど、3年ぶりに訪れた新緑の境内の写真を更新。
歴史について。石清水八幡宮の祠官家の一つ「善法寺家」の善法寺宮清が自らの邸宅を僧坊とする形で鎌倉時代の正嘉年間(1257〜59年)に創建されました。“律寺”の名の通り?律宗のお寺で、奈良の『唐招提寺』の末寺。
善法寺宮清のひ孫にあたる紀良子が室町幕府二代目将軍・足利義詮の側室となり、三代目将軍・足利義満を出産。良子の菩提寺になった善法律寺には足利義満・足利義教・足利義政といった歴代将軍も何度も参詣されたのだそう。
境内を彩るモミジはその良子が多く寄進したものとされますが、その一時代前の“建武の新政”の1334年に後醍醐天皇が参詣した際にもモミジを愛でられたとも。
京都府指定文化財の本堂は元は石清水八幡宮の旧社殿を移築したとされる江戸時代初期(寛永年間)の建築。御本尊の八幡大菩薩像も元は八幡宮で祀られていたもので、明治時代の神仏分離で善法律寺に移されました。他にも神仏分離や幕末の争乱で失われたお寺から、旧大乗院の五輪塔や『忠臣蔵』赤穂浪士ゆかりの大西坊の墓塔などが移されています。
ここでは新緑のモミジの様子と境内東部の放生池を紹介していますが、特別公開時は書院の円窓からの紅葉の眺めが美しい。次回は建物に上がって拝観したいし、紅葉の季節にも訪れてみたい…!
(2018年3月、2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪本線 石清水八幡宮駅より徒歩15分
石清水八幡宮駅・樟葉駅より路線バス「八幡市役所前」バス停下車 徒歩6分
*石清水八幡宮駅前にレンタサイクルあり
〒614-8085 京都府八幡市八幡馬場88-1 MAP