こんなお茶室見たことない…!宇宙船のような白く光る茶室“白宇庵”。設計は新居千秋都市建築設計。2016年グッドデザイン賞受賞の隠れた平成の名建築。
由利本荘市文化交流館カダーレ茶室“白宇庵”について
「由利本荘市文化交流館 カダーレ」(ゆりほんじょうしぶんかこうりゅうかん・かだーれ)は秋田県由利本荘市の公共大型複合施設。図書館、ホール・劇場、プラネタリウムのほか、まるで宇宙船のようなお茶室『白宇庵』(はくうあん)があります。設計は新居千秋都市建築設計。グッドデザイン賞、日本建築家協会賞、BCS賞、公共建築賞優秀賞など各賞を受賞。
これが節目となる2,000件目。2023年に最も印象的だった茶室(建築)『白宇庵』を紹介します。露地庭は無いので「お庭」がメインの当サイト的には残念ですが、それがなくてもこの茶室の存在はもっと広く知られて欲しい…!!!
秋田県南部の中核市の一つ:由利本荘市の玄関口、JR由利本荘駅から徒歩5〜6分と程近くに2011年12月に開館した「由利本荘市文化交流館 カダーレ」。市内各地に点在していた文化会館(大ホール)、市立図書館、公民館などの機能が集約されたと共に、自然化学学習室として大きなプラネタリウムが備えられているのが大きな特徴。
そのプラネタリウムの存在も含め、各所に散りばめられたテーマが「宇宙」。建物自体の外観も印象的だけれど、星がきらめくような通路の照明、天井に浮かぶ球体(プラネタリウム)、そして大ホールも《宇宙空間とごてんまりをイメージした》もの(ごてんまり=本荘の手芸品)で、京都『国立京都国際会館』や横浜・KAATを引き合いに出したくなるようなアート感ある空間。
そして現地で初めて知った茶室『白宇庵』、これがまためちゃくちゃカッコいい…!オフィシャルの写真ではより白く写っていて、こんなデザインのお茶室あるの!?と度肝抜かれた。
広さは四畳半、床の間やにじり口も備える点は伝統的な様式を踏まえつつも、そのデザインは現代的。白く光る壁は「光る布」。なにこれすごい…。
なおお茶室と隣接する和室も、照明のしつらえ方が吉田五十八や谷口吉郎的な「近代数寄屋建築」な雰囲気があってとてもカッコいい。
「カダーレ」の名は「仲間に入って」という意味の地元の方言「かだれ」にちなんだもの。訪れた日(平日の夜)も地元の学生さんを中心に意外と多くの方が利用されていました。人口減少幅が大きい地域の公共施設だからこそ、若い学生さんの心に残るような、そんな存在であると良いなぁと感じるカダーレ。もっと「平成の名建築」に登場しても良いはず…!
(2023年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)