
“NIWA HOUSE”でも知られる現代京都の建築家・横内敏人の新たなアトリエに作庭された小川の流れる庭園…現代の人気造園家・大北望(大北美松園)作庭。
横内敏人建築設計事務所・岩倉アトリエの庭について
【通常非公開】
『NIWA HOUSE』『WA-HOUSE』の著書(作品集)も人気を集める、現代京都の建築家・横内敏人さん。氏が主宰する横内敏人建築設計事務所が2025年新たに開設したアトリエ『岩倉アトリエ』。その庭園の作庭は兵庫・姫路の造園家・大北望(大北美松園)さん。
《庭と建築を一体につくる“庭屋一如”の思想を体現する最新26作品》――(『NIWA HOUSE』のリード文より)。現代の作庭家/造園家との協働も多く、住宅雑誌のみならず庭の雑誌(≒日本の庭園専門誌『庭NIWA』誌)でも名前をお見かけする機会の多い横内敏人さん。庭師さんからも名前を聞く機会も多い、けど基本的には個人邸が多いので「おにわさん」での紹介は実は初めてです。
横内さんの作品の中でも京都の『若王子の家』『若王子アトリエ』が知られますが、2025年に新たに同じ京都市内に『岩倉アトリエ』が開設(移転)。その庭園を造園家・大北望さんが手掛けているということで、『庭連』さんの見学会に同行させていただきました。現役のオフィスなので通常非公開ですが、その様子を紹介!
※大北望さんは『庭NIWA』にもよく登場する現代の有力な造園家の一人でもあり、世界遺産のお膝元で多数の来園者を記録している姫路城西御屋敷跡庭園『好古園』の“御屋敷の庭”の作庭者。
自然豊かな環境にあった『若王子アトリエ』と同じく、新たなオフィスも樹木に囲まれた空間。そんな森と調和した建築の前に広がる池泉回遊式庭園。建築内部から見て、向かって右手側に滝石組が配され、緩やかな高低差の中を小川が流れる。庭に出ると自然の山の中(を流れる小川)の様な雰囲気を醸しつつ、室内からは京都の山の借景が視界に。
雨に濡れた庭石と新緑の樹々も美しく、庭園と周囲の森が繋がっているような感覚だったけれど、建築との境界も特徴的で。庭園の飛び石(沢渡り)が建築側(犬走り)まで食い込んで来ている!小川もきわきわを流れ、建築のフロアレベルの低さと相まって、建築から庭園にシームレスに飛び込んでいけるような――
まさに、建築と庭園の作り手の相互の理解とこだわりで生まれた現代の“庭屋一如”(ここでは紹介しないけれどアトリエ2階からの眺めの「切り取られ方」も素敵だった…)。尚、作庭の様子が横内建築設計事務所のブログでも紹介されているので併せてご覧ください。
(2025年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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