弘法大師空海の霊水“独鈷水”や、あじさい・紅葉の名所としても知られる寺院の京都府指定名勝庭園。
柳谷観音・楊谷寺庭園について
柳谷観音こと「立願山 楊谷寺」(りゅうがんざん ようこくじ)は平安時代初期の806年、清水寺を開いた延鎮僧都が創建した古刹――そんなルーツもあってかリーフレットには“西の清水”という呼称も。
江戸時代中期に作庭された庭園“浄土苑”は京都府指定名勝。また江戸時代初期に建立された本堂、山門などの伽藍が京都府指定文化財となっています。アジサイや紅葉の名所であり、最近では“花手水”でも話題です。
以前から楊谷寺の各種SNSはフォローしていて、素敵な庭だなあ、いつか行きたい…と思いつつも、公共交通機関でのアクセスは良いとは言えずなかなか行く機会がなかった…(毎月17日だけシャトルバスあり)。2019年8月、京都市内で原付をレンタルした日に初めて訪れました!
古くから“眼病平癒”の寺院として知られたそうで、二代目の住職を務めた弘法大師・空海が発見した霊水・独鈷水(おこうずい)は眼病に悩む人々の為に祈祷した所から、現在も参拝者に飲用されています。自分もせっかくなのでペットボトルに汲ませていただいた…。
また古くから天皇家・公家とも縁があったそうなのですが、中でも112代天皇・霊元天皇が眼病治癒されたことにより、独鈷水は明治時代まで天皇家に献上されていたそう。また境内の奥ノ院の観音様は114代・中御門天皇が作られたものとされ、これはその前の113代・東山天皇の皇妃が楊谷寺で安産祈願をされ、無事その後の中御門天皇を出産されたことに由来するもの。
本堂と書院の間にある京都府指定名勝の庭園“浄土苑”は、江戸時代中期に作庭されたという池泉鑑賞式庭園。斜面に配された多くの石組はそれぞれ菩薩様を表しています(詳しくは画像の「十三仏安置図」を参考に!)。
またツツジも見所で、中でも秋はドウダンツツジが美しい紅色に染まります。庭園中央の枯滝石組と石橋の組合せもかっこよく、重森三玲が昭和の中頃にまとめた『古都百庭』にも選ばれたそう。
庭園からは奥ノ院まで回廊で結ばれており(そこがあじさいロードにもなっている)その池泉庭園を上段から眺めることもできるのですが、庭園上段には明治時代に「上書院」も。毎月17日(+紅葉などの繁忙期)のみ有料で公開されるのですが――そこからの視点でも見てみたい!特にモミジが目の前に来るので、新緑や紅葉期には美しいそうです。
それ以外にも毎月17日の縁日には様々なイベントが企画され、寺宝展や京都府指定重要文化財の御本尊の御開帳なども。次回は縁日を狙って訪れたい!京都の西山三山(楊谷寺、善峯寺、光明寺)の一つ。
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR長岡京駅よりコミュニティバス「鈴谷口」バス停下車 約2.5km(徒歩30分)※このバスは土日運休なので注意!
毎月17日や繁忙期はシャトルバスも。詳しくは公式サイトのアクセス情報より。
〒617-0855 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2 MAP