養浩館庭園(雪)

Yokokan Garden (Snowing), Fukui

海外日本庭園ランキング3年連続3位にも選ばれた福井の名庭園は、雪景色も美しい…!越前松平家が江戸時代に造営した別邸と庭園。

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養浩館庭園(旧御泉水屋敷)について

「養浩館」(ようこうかん)は福井県福井市の中心部に残る、越前国福井藩主・越前松平家の別邸(かつての名が「旧御泉水屋敷」)。江戸時代初期〜中期にかけて造営された大名庭園が国指定文化財(国指定名勝)となっているほか、米国の日本庭園専門誌の日本庭園ランキング“しおさいプロジェクト”で3年連続で3位に輝いたこともあるなど国外からも高い評価を受けています。作庭は小堀遠州や千利休の孫・千宗旦に師事した茶道宗徧流の祖・山田宗徧という説も。

「国指定文化財クラスの大名庭園」は日本各地に数十箇所は存在していますが、県庁所在地の玄関口・福井駅から徒歩10分程の距離というのは(東京都心を除けば)屈指の近さ。これまで何度も訪れていますが、2026年の雪の日に久々に訪れたので改めて紹介。

>> 普段の養浩館庭園の写真はこちら。

徳川家康の息子であり武将として活躍した結城秀康や越前松平家の治めた城下町だった福井。その居城だった『福井城跡』のお堀のすぐ北側に位置するのが養浩館庭園。その歴史について。現在の庭園が完成する以前、3代目福井藩主・松平忠昌の時代にこの地に松平家の屋敷「御泉水屋敷」(おせんすいやしき)が造営されました。その後、江戸時代中期の7代目藩主・松平昌明の時代(1686年〜1703年)に敷地が拡張され、現在の様な池泉回遊式庭園が作庭。なお当時は現在隣接する『福井市郷土歴史博物館』までが御泉水屋敷の敷地だったとか。

明治維新で福井城は公有化された一方で、御泉水屋敷は松平家の所有のまま別邸・迎賓館として用いられたそうで、晩年の大隅重信が訪れたこともあったとか。なお『養浩館』という名は幕末に中央の舞台でも活躍した最後の福井藩主・松平春嶽によって明治時代に名付けられたもの。
福井の市街地の85%が失われたという太平洋戦争時の空襲により屋敷は焼失したものの、庭園の姿は保たれたため、その遺構と江戸時代の文献「御泉水指図」を元に修復(書院も再建)され、平成年代から一般公開が始まり現在に至ります。近年は冒頭の通り海外の日本庭園ランキングで3年連続3位を記録――庭園界のナイスネイチャ!?

江戸時代の大名庭園として他と少し事なる特徴としては、池中に中の島が無いこと。そして池泉がほぼ真四角であり、アイキャッチになる築山が――正面ではなく左右に振られているのも特徴的。なのでまさに回遊しながら色んな景色の変化が楽しめる。そして池のギリギリまでせり出している屋敷からの風景は、屋形船に乗っているような感覚――と公式サイトにも書かれているけどそれすごくわかる!

また中の島が無いことで――今風に言うと“リフレクション”で遮るものが無い。「御月見ノ間」という名の間がある通り、月をはじめとした水面に映る景色が主役だったのでしょう――それを念頭に置いているかはわかりませんが、養浩館庭園は庭園施設としては珍しく(冬季をのぞいて)毎日19時まで開館。季節によってはライトアップイベントも行われていますが、それとは別に暗い時間に、水面に浮かぶ月やお屋敷を観に行くのもまた良さそう!

また作庭者に関する情報は養浩館庭園の公式サイトにはありませんが、福井県坂井市にある国登録文化財の庭園『坪川氏庭園』の庭園に関する情報に、その庭園を手掛けた茶人/現代まで続く茶道宗徧流の祖・山田宗偏が『御泉水屋敷庭園』を手掛けた――とあります。
以下のような文献も。
堀澤眞澄『福井、養浩館と丸岡、千古の家庭園の三尊石組について』(日本庭園学会誌)

福井県・福井市は新幹線開業にあたって、恐竜や絶景以外の観光資源として『歴史』にもフォーカスを当てており――その中には“庭園”も含まれている。それがこの養浩館と、福井市に郊外にある(中部地方では唯一の“庭の国宝”クラスの)『一乗谷朝倉氏庭園』。「養浩館」公式サイトやパンフレットも以前よりも写真もデザインもかっこよくなり!公式サイトは庭園の説明も非常に細かく詳しい(庭園関連の公式サイトで解説が一番詳しいかも…?って位)ので、そちらも是非あわせてご覧ください。

(2013年3月、2015年9月、2019年3月、2020年9月、2026年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR北陸本線 福井駅より徒歩11分
えちぜん鉄道 新福井駅より徒歩8分、仁愛女子高校駅より徒歩10分

〒910-0004 福井県福井市宝永3丁目11-36 MAP

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投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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