もみじ公園(旧宝幢寺庭園)

Momiji Park (Hodo-ji Temple Ruins Garden), Yamagata

山形市中心部の紅葉の名所。江戸時代初期に山形城主・松平忠弘自身の手により作庭された池泉回遊式庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

もみじ公園(旧宝幢寺庭園)について

山形市の中心部にある「もみじ公園」はかつて「宝幢寺」(ほうどうじ)という寺院があった場所に開かれた公園で、現在も残る庭園は宝幢寺の庭園として作庭され、江戸時代初期には山形藩主・松平忠弘によって改修が加えられたもの。公園名の通り
2018年の紅葉時期に初めて訪れ、2019年春に再訪しました!

宝幢寺は奈良時代に行基によって開かれた古刹で、最上家の祖である斯波兼頼によって南北朝時代(室町時代)に山形城下に移されたとされます。

現在残されているの庭園は江戸時代初期に当時の山形城主・松平直矩によって作庭・寄進された――と伝わってきたところ、近年見つかった史料により覆されたそうで。
松平直矩の前後に山形藩主を務めていたが城内の本丸庭園を作り直した際に余った石とモミジの木を使って、松平忠弘自身によって改修された庭園である――ということがわかったそう。なお松平忠弘は山形城主の他に播磨姫路藩、宇都宮藩、白河藩の藩主も歴任した大名。

宝幢寺は明治初期に廃寺となり、寺領が市の所有となり公園として開園。現在も紅葉の名所として市民に親しまれており、初めて訪問した11月の紅葉のピークのタイミングでは平日でも多くの人が訪れていました!こういう庭園が市街地にあるって素敵だな〜。

なお池泉庭園に面して建つ“清風荘”も元は宝幢寺の書院だった建物で、江戸時代中期〜後期の建築としてとなっています。なのでこの池泉回遊式庭園は「宝幢寺書院庭園」だった――ということですかね。または“清風荘庭園”。茶室研究家・建築家の中村昌生さんと数寄屋建築を多く手がける安井杢工務店が手掛けた茶室“宝紅庵”が併設され、茶会をはじめとした市民イベントで利用されています。

また宝幢寺の本堂は、「薬師公園」に薬師堂として移築されています。こちらも立派な建物が現存しているのであわせてどうぞ!

(2018年11月、2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山形新幹線 山形駅より徒歩20分強 ※春〜10月まで観光案内所にレンタサイクルあり
山形駅より路線バス「南高前・山大入口」バス停下車 徒歩8分
※ほかにも近いバス停がありますが(最寄は周遊バスの「五小前」)、本数の多いバス停がこちら

〒990-0034 山形県山形市東原町2丁目16-7 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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