江戸幕府8代将軍・徳川吉宗も訪れたという湧水池を中心とした池泉回遊式庭園。板橋区指定天然記念物。
薬師の泉庭園について
「薬師の泉庭園」(やくしのいずみていえん)は板橋区立の公園で、江戸幕府8代将軍・徳川吉宗も訪れたという湧水池を中心とした池泉回遊式庭園。
中山道沿いにあるこの庭園はかつて「大善寺」という寺院の境内にあたります。大善寺は室町時代に開かれたという江戸の古刹で、徳川吉宗がこの志村周辺で鷹狩をした際に大善寺に立ち寄り、境内にあったこの湧水による清水の美しさ(美味しさ?)に感動したから本尊の薬師如来に「清水薬師」と名付けられ、そこから中山道のこの坂も「清水坂」と呼ばれるようになったとのこと。
その後、江戸時代後期に発刊された『江戸名所図会』にも「清水薬師清水坂」としてこの池泉庭園が描かれました。現在の庭園はこの図を元に復元整備されたもので、平成年代にオープン。斜面を活かして植えられたサツキ・ツツジを主体とした庭園になっているので、見頃は晩春〜初夏なんだろうな(その頃また行きたい!)。枝垂れ桜?の木もあるので初春も美しいかも。
なお江戸時代からこの一帯は良質の水が湧く地だったと言われ、現在の池泉も湧水によるものだそうです。東京区内では数少ない湧水による庭園であり、「薬師の泉跡」として板橋区指定天然記念物。
大善寺は現在庭園と隣接する「総泉寺」と昭和時代に合併。「清水薬師」(聖徳太子作とも伝わる)は現在も総泉寺の境内に残されています。総泉寺は江戸時代には秋田藩主・佐竹義宣ゆかりの寺院だったとされ、江戸時代には曹洞宗の江戸三箇寺として泉岳寺、青松寺と並び称されたのだとか。
(2018年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)