京都を代表する老舗和菓子店の本店は京都の数寄屋建築の名匠・中村外二(中村外二工務店)デザイン。京都の庭師・明貫厚による“市中の山居”な坪庭/茶庭も。
鶴屋吉信 本店・菓遊茶屋/茶寮について
「鶴屋吉信」(つるやよしのぶ)は江戸時代後期、1803年(享和3年)創業と200年以上の歴史をほこる京都の老舗和菓子店。京町家風の外観の本店は京都を代表する数寄屋大工・中村外二(中村外二工務店)がデザインを手掛けていて、1994年の京都都市景観賞市長賞を受賞。店内には茶室“游心”やお休み処“茶寮”から眺められる坪庭/茶庭があります。作庭は京都の庭師・明貫厚(明貫造園)。
京都の代表的な和菓子屋さんとして日本各地のデパ地下に店舗を構え、「京観世」などの銘菓で知られる鶴屋吉信。その本店は京都の中心・京都御所から北西へ約1km、そして“西陣織”で栄えた西陣エリアの最東部:堀川今出川の交差点に位置します。欅の一枚板を用いた「柚餅」の大看板、その字は画家・富岡鉄斎の筆。
京町家風の伝統的な建築様式を取り入れつつ1992年(平成4年)に数寄屋建築の名匠・中村外二(中村外二工務店)のデザイン/施工で新築された現在の本店。1階部分が通常の店舗、そして2階には和菓子職人の実演が見られる「菓遊茶屋」(かゆうぢゃや)、そして店内でお抹茶とお菓子をいただける「茶寮」があります。
そして茶寮の中央には建物の2階とは思えない枯山水の坪庭も!使われているのは自然石風の資材ではなく自然石、手前の宝船を表現したかのような石は京都の名庭園でも目にする機会も多い鳥取の銘石・佐治石。その数寄屋空間と相まって、大きな通りに面しているとは思えないまさに“市中の山居”が感じられる空間となっています。中村外二工務店×庭師・明貫厚のタッグは同じく京都の老舗の『菊乃井 無碍山房』などでもそう。
エントランスや茶室の床の間には季節ごとの室礼が、そしてメニューやお茶碗も季節にちなんだものを楽しませてくれる鶴屋吉信本店。京都の繁華街から離れている“ちょっと知っている人”向けの穴場スポット、ぜひ訪れてみて。
(2023年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)