戦国大名・京極氏の菩提寺に造られた、小堀遠州作庭と伝わる借景の美しい池泉回遊式庭園―滋賀県指定名勝。
清瀧寺徳源院庭園について
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「清瀧寺徳源院」(せいりゅうじとくげんいん)は、江戸時代に若狭国の小浜藩をはじめ松江藩・龍野藩・丸亀藩などの城主を務めた大名・京極家の菩提寺。「京極氏」は鎌倉時代以後に近江国を治めていた佐々木氏をルーツに持つ家系で(佐々木信綱は有名?)、その後生まれた分家の一つ。京極氏がこの地を治めていた室町時代に創建されたのがこの「清瀧寺」。
その後戦国時代を経る中で京極家は近江ではない各国の大名となりましたが、江戸時代初期に京極家22代であり2代目の丸亀藩主となった京極高豊がこの寺院を再興。そして各地に散らばっていた歴代当主の宝篋印塔(平たく言うとお墓)を集め整備し、こちらが「清滝寺京極家墓所」として国指定史跡となっています。また同時期に建立された三重塔は滋賀県指定文化財。
滋賀県指定名勝となっている池泉式庭園は小堀遠州の作庭と伝わります(史料は無いけど――というようなアナウンスもありましたが、当サイトは史実より分かりやすさを重視したいので「小堀遠州」の庭園の一つとして数えます)。
清滝山の借景が美しい庭園で、余計な雑音が少なくとても癒やされる庭園でした――。現在は本堂から鑑賞する形になりますが、造りとしては池の周辺を歩ける池泉回遊式庭園であるとのこと。訪れたのが夏だったので緑一色の風景ですが、秋には紅葉の美しい名所に。
ちなみに、丸亀にある大名庭園「中津万象園」も京極高豊の命により造られたもので、京極氏のルーツである近江八景を表現した庭園とのこと。
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個人的にも各地の庭園めぐりに書かせない「青春18きっぷ」。大垣ダッシュ・米原ダッシュという言葉もあるように退屈な区間となりがちな大垣〜米原間ですが、「柏原駅」には歩いて5分程の場所に中山道の柏原宿の古い町並みが残されています。その柏原宿の街並みからこの庭園までは徒歩15分ほど。混雑する大垣〜米原間に飽きてしまったらたまには途中下車して、古き良き景色に癒やされるのもいいかも――。後日、宿場町に残る庭園も更新予定!
(2018年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)