光明院庭園“波心庭”

Tofukuji Komyoin Temple Garden, Kyoto

昭和の京都の人気作庭家・重森三玲が国指定名勝“八相の庭”と同時に手掛けた初期の傑作。苔と紅葉の美しい枯山水庭園は“虹の苔寺”とも。

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東福寺 光明院庭園について

「光明院」(こうみょういん)は京都を代表する寺院の一つ『東福寺』の塔頭寺院。昭和の京都の代表的作庭家・重森三玲作庭による枯山水庭園“波心庭”、“雲嶺庭”があり、秋には紅葉の名所としても人気を集めています。

2022年11月に約2年ぶりに訪れたのでその時の写真を交えながら紹介。紅葉の(ほぼ)ピーク期に訪れたのは初めてでした!

国宝・三門の南、勅使門/六波羅門から徒歩2~3分の場所にある光明院。穴場…と言うにはすでに有名で特に紅葉の時期は参拝者が多いけれど、通天橋〜東福寺本坊に多数訪れているバスツアーの方々はあまりこちらまで来られないので、その点ではやはり“穴場”。
あと自分の経験則ですが、京都駅で「オススメで穴場のお寺・お庭を」とタクシーのドライバーにリクエストすると『光明院』を案内される方が多いようです。

創建は室町時代前半の1391年(明徳2年)。時は流れ1939年(昭和14年)、重森三玲によって主庭の“波心庭”が作庭されました。
この年は東福寺本坊に『東福寺方丈庭園“八相の庭”』が作庭された年でもあり、八相の庭とは兄弟的な存在で重森三玲の初期の傑作と言えます。

庭園背後の斜面一面に植わっているサツキ。これは作庭以前よりあったものだそうで、これらを刈込として雲と見立てるところから発想し、正面のみならず三箇所に三尊石組を配しつつ、海を表した曲線的な白砂の中に多数の石が配されています。
“池泉式の枯山水庭園”と解説されることもあり、大雨の日にはその窪みに水が溜まり池泉庭園と化すそう。(今のところまだその姿は見たことない…)

本堂から正面に庭園を眺めても、書院から横から眺めても美しさを楽しめる庭園。斜面の上には重森三玲の手掛けた「蘿月庵」(らげつあん)という茶室もあり、こちらが手掛けられた1962~63年頃に同時に作庭されたのが、玄関前にたたずむ石庭“雲嶺庭”

白砂+苔の庭園が秋には紅葉でカラフルに彩られることから“虹の苔寺”とも称されます。…でもこの庭園の穴場感を満喫するなら紅葉の季節以外がオススメ!枯山水庭園は四季いつ見てもそれぞれの魅力が感じられますよ。

(2012年1月、2015年9月、2016年12月、2020年6月・8月、2022年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪本線 鳥羽街道駅より徒歩6分
JR奈良線・京阪本線 東福寺駅より徒歩13分
最寄りバス停は「十条相深町」バス停下車 徒歩8分

〒605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目809 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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