日本航空/JAL初の女性管理職でキャリアウーマンの先駆者的存在・瀧田あゆちの生家はやきものの町・常滑の江戸時代後期の町屋。常滑市指定文化財。枯山水庭園も。
廻船問屋 瀧田家について
「廻船問屋 瀧田家」(かいせんどんや たきたけ)は中部国際空港セントレアのお膝元かつ歴史的な焼き物の街・常滑に江戸時代より残る商家建築。「旧瀧田家住宅」として常滑市指定有形文化財で、日本遺産「きっと恋する六古窯」の構成文化財。日本航空(JAL)初の女性役員となった瀧田あゆちの生家でもあります。主屋・離れの前に枯山水庭園が。
2022年に国際芸術祭『あいち2022』の会場となった常滑&瀧田家。これを機に実は行ったことがなかった常滑を初めて訪れました!
古くは平安時代から陶器の生産が盛んとなり、江戸時代後期に“常滑焼”として再興された以降はタイルの分野でも全国的なシェアを占めた常滑のやきもの。常滑駅から徒歩圏内の「やきもの散歩道」には陶器で装飾された古い街並みや窯場・工房、そしてタイル大手・INAXが創業地に設立した『INAXライブミュージアム』などがあります。
現在では空への玄関口となっている常滑ですが、江戸時代〜明治時代に掛けては常滑湊の港町で、江戸〜三河・伊勢〜大坂を結び各地に常滑焼を輸出/運搬する船を出す廻船主も多く住んでいたとか。そのうちの一つがこの瀧田家。
陶器により装飾された「でんでん坂」を登った先の高台に建ち、1850年頃に瀧田家四代目・瀧田金左衛門により建てられた邸宅(主屋・離れ・土蔵など)が常滑市により2000年より一般公開されています。主屋内では回船業に関する資料のほか当時の調度品・インテリアなどが展示。
また今回の『あいち2022』の展示としてはアート作品の展示のほかに、この家で生まれ育った日本航空(JAL)初の女性管理職/役員となった瀧田あゆちさんに関する展示も。その経歴や中部国際空港セントレアの開港にも尽力された業績など、「キャリアウーマンの先駆者」としても注目された方。その原点がこの和の町屋にあります。
主屋と離れの前にそれぞれ(さほど大きくないけれど)枯山水の和風庭園があります。特に離れはお茶会とかで使っていたのかなという雰囲気で、庭園を囲む竹垣が全面網代編みなのがすごい!焼き物の街の数寄屋風空間にぜひ立ち寄ってみて。
(2022年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)