太融寺庭園“九山八海庭”Taiyuji Temple Garden, Osaka

光源氏のモデル・源融ゆかりの寺院に現代に作庭された石庭。2020年は京都・北澤造園による新たな枯山水庭園も。

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太融寺庭園“九山八海庭”について

「佳木山 太融寺」(たいゆうじ)は大阪の中心部・梅田から割とすぐの場所にある高野山真言宗の寺院。平安時代の821年(弘仁12年)に弘法大師空海により創建され、光源氏のモデルとも言われる源融によって七堂伽藍が建立。その縁から“融”の文字を取って“太融寺”と改められました。
訪れてみたいと思ったきっかけは、建築家・吉田五十八の作品の中に“太融寺正門”があったからなのですが、訪れてみたら枯山水庭園“九山八海庭”もありました。

お寺の歴史の続き。嵯峨天皇の勅願により空海によって創建され、その当時に嵯峨天皇により下賜された千手観音菩薩立像が現在も御本尊としてまつられています。大阪市指定文化財。
江戸時代に入り1615年の大坂夏の陣の兵火で全焼したものの元禄年間に再興され、江戸時代も“北野の太融寺”として親しまれ栄えたそう。現在の「北野町」も当時の境内で、北東にある扇町公園はかつての太融寺庭園だったとか。明治時代には淀君の墓所も移転。

しかし1945年に太平洋戦争の空襲で再び全焼。境内も狭くなったものの、1960年(昭和35年)に本堂、昭和61年に大師堂、護摩堂、宝塔が再建。最近では2006年に本坊が現代の建築に建て替わり、2017年には辯天堂も再建。

で、吉田五十八は“太融寺正門”を1964年(昭和39年)に手掛けたそうですが…もしやもうない?本堂の正面にある南門がとてもそのようには見えないし…古い航空写真を見ると現在の境内南部(ホテル街の中)にあるパーキングが参道のような感じで広い通りになっているのですが、その辺にあったのかなあ。
なのでもう吉田五十八の建築は見られないのですが…唐破風屋根の玄関を持つ客殿が近代建築っぽいし、建築年代が説明されていないし、気になる。歌舞伎座っぽいというか。

*追記:「とてもそのようには見えない」と書いた南門、まさにこれが吉田五十八の作品であるとTwitterで情報をいただきました。嬉しい反面、複雑…!ご指摘ありがとうございました。

そして本堂・客殿前に枯山水庭園“九山八海庭”があります。昭和年代には別の建物があり、2006年の本坊のリニューアルにあわせてこちらも作庭されたもののよう。200坪の石庭は細かな玉石が敷きつめられた中、鞍馬石っぽい赤みがかった飛び石が配されていて、歩を進めるのが楽しい。
更にこの2020年、太融寺の創建1200年の記念事業として再建された八角堂の周辺に新たな庭園が作庭されました。手掛けたのは京都・鳴滝の『北澤造園』さん。お庭の名前はわかったら追記…。

キタで約束があった時、用事の前にふらっと立ち寄っても面白い寺院・庭園!

(2020年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

大阪メトロ 梅田駅・東梅田駅 3番出口より徒歩8分
JR各線 大阪駅より徒歩10分
阪急 大阪梅田駅より徒歩10分
大阪メトロ堺筋線 扇町駅より徒歩10分

〒530-0051 大阪府大阪市北区太融寺町3-7 MAP